梅田 TOKK
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出汁(だし)のきいたもちもちの生地に甘辛いソース、たっぷり入ったイカの風味とコリコリとした食感──。1日1万枚を売り上げることもある「阪神名物 いか焼き」は「一度食べたら忘れられない味」と評され、大阪人がこよなく愛する「粉もん」の中でも唯一無二と言える存在です。
スタッフの職人技によってスピーディーに提供され、価格もリーズナブル。大阪梅田にある阪神梅田本店(大阪市北区)の開業当初から70年近く、「うまい・早い・安い」の3拍子で、庶民のおなかと心を満たしてきました。
改めてその魅力を探ろうと、地下1階の「スナックパーク」にある店舗を訪ねました。

スナックパークは、百貨店の地下1階の南側、少し奥まった場所にある立ち食い形式のフードコートです。

地下街「ホワイティうめだ」から大阪メトロ御堂筋線の南改札口前を通り、阪神電車「大阪梅田駅」に向かうと、東改札口へと下りる階段の前に出ます。すぐ左隣に阪神梅田本店の入口が見えますが、ここでは百貨店に入らず左折し、ガラス張りの壁に沿って進みます。

「スナックパーク70m先」「60m先」「30m先」と記された表示板が次々と現れます。

その案内に従って道なりに歩いていくと、「スナックパーク」の看板が見えてきます。

「阪神名物 いか焼き」は、この入口から左手の通路の奥に位置しています。

店舗は「栄食品」(本社・大阪府守口市)が運営しています。1957(昭和32)年、阪神梅田本店の開業と同時に今も続く「阪神名物 いか焼き」の名称でオープンしました。ただ、出店の経緯やネーミングの由来は記録が残っておらず、よくわからないそう。
「昔は神社の縁日の屋台などで売っていたようです。『おいしい』という評判を聞きつけた阪神さんから『店を出しませんか』と声がかかった、と先代から聞いたことがあります」(店長の小田泰弘さん)
オープン当初は百貨店の阪神電車の改札口付近の「おやつセンター」と呼ばれた一角に店舗がありました。
いかのうま味が染み込んだ熱々の生地と、食欲をそそられるソースの香り。値段は阪神電車の初乗り運賃に合わせて1枚10円に設定されました。その味わいと庶民的な価格で、「あっという間に人気商品となり、当初から行列ができたそうです」(竹下さん)。

その後、店舗の場所は百貨店の改装に伴って数回移動。2015年から3年間の建て替え工事期間中はテイクアウトのみの販売となり、2018年にはリニューアルされた現在のスナックパークでイートインも再開しました。
店舗では、小さくカットしたいかと魚介類を使った出汁、小麦粉を練り合わせた生地を、高温に設定された専用の鉄板で上下からはさんで一気に焼き上げています。素材も焼き方も70年近く、全く変わっていないそうです。

「あえて変わったことを挙げるとすれば、お皿をイカの形にしたことぐらいでしょうか」と小田店長。
数年前、イートインで使う発泡スチロールのお皿のデザインを長方形から切り替えました。食べ終えると、いかのかわいらしい顔が見えるという遊び心をしのばせつつ、開業以来の味を守り続けています。

メニューは全4種類とシンプルです。人気ナンバーワンは、売り上げの半分以上を占めるという看板商品の「いか焼き」(187円)。もちもちの生地をかみしめると、口の中にイカのうま味がじんわりと広がり、甘辛いソースとの相性も抜群です。

「デラバン」(242円)は、いか焼きを卵で包んだ一品。「デラックス版」の略称です。卵が加わり、生地の歯ごたえが増す印象です。

一方、「ネギいか焼き」(198円)は、特製しょう油ダレを使ったあっさり風味。ネギと香ばしいしょう油のコンビネーションが、出汁のきいた生地を引き立てています。

そして、ネギいか焼きに卵を合わせたデラックス版の「和風デラ」(253円)というラインアップです。

スナックパークには立ち食いできるスペースが設けられ、熱々のいか焼きをその場で味わえます。店舗ではビール(1杯451円)も販売されており、いか焼きをおつまみに「気軽に一杯」も楽しめます。

※( )内は、店内飲食の価格。テイクアウトは消費税率8%
厨房(ちゅうぼう)をのぞいてみると、3~4人のスタッフが動き回っていました。生地の入ったカップを持ったスタッフは、適量を鉄板の上へリズミカルに6枚分入れていきます。その間わずか5秒ほど。手にはトング。あら、お玉じゃないんだと驚いていたら、小田店長が「お玉だと、このスピードは出せないんですよ」と解説してくれました。

スタッフは流し終えると、上の鉄板をガシャン。上下の鉄板を器具で固定し、生地をギュッとはさんで高温で焼き上げます。待つこと1分弱。こんがりとした直径15センチほどの平たくて丸いいか焼きが現れました。

独特のもちもち食感は「企業秘密」の配合の生地とともに、「一気に焼き上げることなんです」と小田店長。そのためには手早く均等にネタを入れるスピードが欠かせない技術というわけです。
別の鉄板では、デラパンを調理。スタッフが四つの卵を素早く割り入れ、卵の上へ、いか焼きと同じ要領で生地を手際よく入れていく。さらに別の鉄板では、ネギいか焼きに着手。スタッフは10台ある鉄板の間を移動し、次々に焼き上げていました。

できあがったいか焼きをヘラではがし、前を流れるベルトコンベアにひょいひょいっとのせていきます。
コンベアの先では、別のスタッフがトレイに並べ、中央にハケでソースをさっと一塗り。半分に折って完成です。スタッフの連携プレーに見とれているうちに、商品を入れるトレイがどんどんいか焼きであふれていきました。

このいか焼きのためだけに開発された特製の甘辛いソースはボトル(70ml、216円)でも販売されています。濃厚な味を求めて「追いソース」もできそうです。

「デラバン1枚、今食べます。いか焼き12枚はお持ち帰りで」とレジで注文する女性の声が聞こえてきました。

スタッフが手際よくデラバンをお皿にのせ、いか焼きを紙に包んで手渡しました。その女性(30代)に尋ねると「家族で一緒に食べるために買いました。でも待ちきれないので、1枚は先にここで食べます」と笑顔で答えてくれました。
このようにテイクアウトも人気です。「材料の配合と焼き方のおかげで、冷めてもおいしいんですよ」と小田店長。テイクアウトとイートインの枚数の割合は、6対4ぐらいだそう。持って帰って家族とゆっくり食べたり、子どもの部活の差し入れにしたりと、さまざまなシチュエーションで利用されているようです。

「博多阪急」にも常設店舗があるほか、「阪神・御影」「宝塚阪急」などの系列百貨店をはじめ、各地の物産展にも積極的に催事出店しています。
また、阪神梅田本店では冷凍品も販売しています。別の工場で焼いた商品を瞬間冷凍し、真空パック。日を置いて食べたい、知人への手土産に持参したいと購入するお客さんが多いそうです。
5枚パックのいか焼きは972円(税込み)。「こちらのレジは比較的空いているので、行列に並びたくないというお客さんもよく利用されていますね」(小田店長)。「阪神オンラインショッピング」(いか焼き10枚ボックス、2214円。送料別)でも購入できます。
大阪で生まれ育った筆者にとって「デパ地下の名物」と言えば「阪神のいか焼き」。親に連れられ、幼い頃からこの味に親しんできました。独特の味わいと食感が時折、無性に恋しくなり、今もたっぷりと買い込んで帰ります。
いか焼きの調理からお客さんへの手渡しまで、スタッフさんのおいしさへのこだわりと流れるような早業に改めて目を見張りました。行列でその様子を眺めていると〝いらち〟の大阪人でも待ち時間はあまり気になりません。まさに、並んでも食べたい大阪の味。クセになること間違いなしの逸品です。
※価格はいずれも2025年10月現在。
| スポット名 | 阪神名物 いか焼き |
| 時間 | 10:00~22:00(L.O.21:30) |
| 定休日 | 不定休 |
| 電話番号 | 06-6345-1201 |
| アクセス | 阪神「大阪梅田」駅から徒歩約3分 |
| 住所 | 大阪市北区梅田1-13-13 阪神梅田本店B1F スナックパーク【MAP】 |
| URL | https://catalog.hankyu-hanshin-dept.co.jp/hankyu/brand/index.html?bd=hsb_ikayaki&cp=snack15&btm=0 |