川西・池田 TOKK
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川西・池田 TOKK
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26.03.27
野村
大阪を拠点に関西のあちこちに出没する取材ライター。おもに京阪神エリアで取材しています。

木の棒を投げてピンを倒すだけ。そんなシンプルなルールでありながら、一度体験すると不思議と夢中になってしまうスポーツ「モルック」。近年、公園などで楽しんでいる人たちを見かけたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
フィンランド発祥のこのスポーツは、日本でもじわじわと人気が広がっており、競技人口も急増。そんなモルックは、実は兵庫県川西市にある『満願寺』が聖地といわれているそうで(諸説有り)、多くの川西市民がモルックを楽しんでいるそうです。さっそく川西市で活動する「川西モルックの会」を訪れ、その魅力と広がりの理由を取材しました。

中 博司さん
川西モルックの会代表で、モルック施設「モルックドーム」の代表。兵庫県川西市出身。自身もモルワングランプリ2020全国大会で優勝するなど、かなりの実力者。誰もがモルックができるよう「モルック格差」を無くす活動も行っている。
モルックとは、1996年にフィンランドで生まれたスポーツのこと。木の棒「モルック」を投げ、3〜4m先に並べられた木製のピン「スキットル」を倒して得点を競います。

倒れた本数がそのまま得点になる場合と、1本だけ倒れた場合は書かれた数字が得点になるというルールで、先に50点ちょうどに到達したプレイヤーが勝利。
3回ミスをしたら失格、スロットルの並べ方や、倒したピンの扱い方など、細かいルールもありますが、棒を投げることができれば誰でも試合に参加できるので、幅広い世代の人たちが一緒に楽しむことができるスポーツとして世界中で親しまれています。
また、楽しさはもちろんですが、特別な技術や体力を必要としないため、未就学児から高齢者まで一緒に楽しめるのも魅力。プレーしてみると、世界中で親しまれている理由がよく分かります。
今回訪れたのは、川西モルックの会が拠点としているモルック施設「モルックドーム」。川西モルックの会代表の中さんが、こちらの施設の運営も代表として行っています。

広々とした敷地には、土をベースにした公式コートが整備され、開放的な空間が広がっています。

コートは想像以上に縦に長く、ピンまでの距離もしっかり感じられる設計。実際に立ってみると、思っていた以上にコントロールが求められることに驚かされます。

中さんは、「専用コートがあって、誰でも気軽に来られる場所は珍しいと思います」と話します。
この日も大学生チームによる大会が行われており、会場には多くのプレイヤーの姿が。それぞれのスタイルでモルックを楽しんでいる様子が印象的でした。

さっそく筆者もモルックを初体験。棒を投げるだけですが、狙ったピンに当てるのはなかなか難しく、思い通りにいきません。距離感や力加減が意外と難しく、狙ったピンに当てるには繊細なコントロールが必要です。
ただ、その分うまく倒せたときの爽快感は格別。自然と会話も生まれ、初対面でも一緒に盛り上がれるのも、このスポーツの魅力だと感じました。
こちらを拠点に活動する中さんは、令和元(2019)年にモルックと出合い、令和2(2020)年2月に副代表の藤森薫さんと一緒に川西モルックの会を立ち上げました。そこから活動は一気に広がり、現在では小中学校の授業や高齢者施設、障害者施設などでもモルックが取り入れられ、たくさんの川西市民がモルックをプレーしています。

さらに、「年に1回、市内のすべての小学校の部活対抗のモルック大会が開催されていたり、成人式でもモルックをやったりと、川西市は色々なところでモルックをやっていますね」と、中さん。
特定のスポーツがこんなにも市民に浸透している様子を初めて見聞きしたので、かなり衝撃です。
そんなモルックを愛する川西市民のみなさんは、誰もがモルックをプレーできるように「モルック格差」を解消する運動も行っているのだそうです。市民のみなさんが自発的に寄付を集めてモルックを購入し、モルックをプレゼントすることで、モルックの輪を広げているのだそう。
「モルック格差」というインパクト抜群のワードに驚きますが、モルック格差の解消とともに、モルックの輪が広がるだけでなく、人のやさしさや温かい気持ちも一緒に広がっているように感じます。

ちなみに川西市の越田市長も自身のことを「モルック市長」と言い、モルックの輪を広げているのだそう。川西市のモルック愛、恐るべし……!

日々精力的に活動している川西モルックの会は、現在50名ほどのメンバーが所属しています。最年少は9歳、最高齢は60代と、老若男女が所属しているのが、棒が投げられたら誰でもできるというモルックらしさを感じます。
とはいえ、実はメンバーになるためには一定のレベルが必要なのです。
中さんによると、「モルックの会のメンバーになるためには、検定を受けて合格してもらう必要があります。12級からスタートして、5級が合格できたら入会可能です。実はこれが意外と難しくて『今日は一日中検定のメニューやってたわ』なんて、何ヶ月も練習して検定合格を目指している人がいます」。
ちなみに小学生以下には、子ども用の検定メニューが用意されています。

検定の内容も施設内に掲示してあります。内容をよく見てみると、特定のピンを狙うなど、本当に難易度が高く、練習を重ねなければ合格できないと感じました。
「難しくても、モルックは練習したら上手くなります。年齢層もさまざまで、スタートする年齢など関係ないです。大会に出たら90代の人が出場していることもあるし、過去には世界大会に日本代表として出場したのが7歳の子どもだったことも。何歳からでも始められるのが魅力の一つです」

ちなみにモルックが上手くなる人の傾向としては、ボーリングや野球、ソフトボールなどの球技経験者が多いのだそう。
「球技をしていた方は筋が良いことも多いですが、実際の試合では考えてプレーする必要も。狙ったピンを確実に倒す、相手が嫌なピンを倒すなど、先を何手も読んで狙うことも重要なんです」
川西モルックの会では、日々の練習に加えて大会やイベントも積極的に開催されています。
例えば「早朝カップ」は朝6時半からスタート。参加者の中には、さらに早い時間から集まってウォーミングアップを行う人もいるのだそうです。
一方で、仕事帰りに参加できる「モルックナイト」は19時半からスタートと、ライフスタイルに合わせて楽しめるのは大人がスポーツを始めるうえで、うれしいポイントです。
ちなみに3月からは「川西モルック合戦2026」という大会がスタート。3月から12月の毎月最終土曜日に開催されていて、上位3位に入った方は、令和9(2027)年1月30日に開催予定の「川西2026FINAL」の参加権利を獲得できるというもの。このモルックドーム川西にて熱い戦いが繰り広げられるようです。
「ゆるいスポーツで、みなさんが楽しみながらプレーしているのがモルックの魅力。このハッピーな輪を広げていきたいですね」と語る中さん。
年齢や経験に関係なく、誰もが同じフィールドで楽しめるモルック。川西市で広がるその輪は、これからさらに関西全体へと広がっていきそうです。みなさんも、ぜひ一度モルックの聖地・川西を訪れて、モルックを体験してみてはいかがでしょうか。

| スポット名 | モルックドーム |
| 時間 | 24時間営業 |
| 定休日 | ―― |
| 問い合わせ | ホームページより |
| アクセス | 阪急川西能勢口駅→阪急バス・石道口停または清和台営業所前停下車 約3分 |
| 住所 | 兵庫県川西市石道茶屋垣内220【MAP】 |
| URL | https://www.molkkydome.com/ |
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