関西広域 TOKK
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関西広域 TOKK
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26.04.07
野村
大阪を拠点に関西のあちこちに出没する取材ライター。おもに京阪神エリアで取材しています。

阪急「岡本駅」南口の改札の目の前に佇むレトロなレンガ造りの喫茶店「カフェ・ド・ユニーク」。長年岡本駅前で愛されてきた老舗喫茶店で、街の名物の一つともいえるお店です。
老舗らしいクラシックな外観に重厚な扉……。初めてドアを開けるときは、ちょっとドキドキしますが、店内に一歩足を踏み入れると、そこには岡本の街を見守り続けてきた温かい空間が広がっていました。
岡本駅の改札を出て、さっそくお店の扉を開けると、カーペットの床にやわらかな光を落とすステンドグラスなど、古い洋館の上品な空間が広がるカフェ・ド・ユニーク。レトロな家具や装飾……どこを見ても絵になるような雰囲気で、思わず店内を見渡してみたくなります。

2階建ての店内には、1階カウンターで静かにタバコとコーヒーを楽しむ常連の紳士や、2階席で語らう学生たちの姿。近所のマダムたちのお茶会、一人で読書に没頭する人など、それぞれが思い思いの時間を過ごしており、のんびり過ごせる安心感ある雰囲気が漂っています。
「岡本駅前でお店を構えてからは30~40年ほどになりますね」と話すのはオーナーさん。1960年代には天上川沿いにお店があったそうで、40年ほど前に岡本駅前に移転。長い年月をかけて、岡本の街や人とともに歩んできたお店です。
「近くにある甲南大学の学生さんたちが、昔からよく来てくださっていて。卒業してからも『まだあった! 懐かしい』と寄ってくれる方も多いんですよ」とオーナーさん。
老舗喫茶店ですが、若者の利用が多いのがこちらならでは。取材した日にも2階席の一画では学生たちが楽しそうに会話したり、食事をしたりする様子がありました。その様子から、ここが学生たちの憩いの場になっていることが自然と伝わってきます。
ここでたくさんの人たちの青春の物語が紡がれてきたのだと思うと、なんだか感慨深い気持ちになります。筆者も「大学の近くに、こんな喫茶店があったらな」と、思わず少しうらやましくなりました。
その一方で、昔からずっと通っているのだと思われるご近所の方がのんびりくつろいでいる様子も。「あら、こんにちは」「いつものでいいですか?」などとスタッフの方が常連の方と親しげに話す様子も心地よく、ここは地域の方々にとっての生活の一部であり、とても大切な空間なのだと感じます。
古き良き洋館の雰囲気が何よりも印象的なカフェ・ド・ユニーク。エレガントな雰囲気ながら、初めて訪れた人でもどこか懐かしい気持ちにさせてくれます。外観や内装は移転してきたときからずっと変わらないそうで、阪神・淡路大震災のときも倒壊せず、残った貴重な建物なのです。
「ここを建てるときには、『何十年変わらない愛されるお店にしたい』という思いから、飽きのこない落ち着いたクラシックなデザインになっています。お店の中にはこだわりがたくさん詰まっているんですよ」
実際に店内を見渡すと、そのこだわりは細部にまで行き届いています。重厚感のある木のテーブルや、赤いベルベットの椅子はすべてオリジナル。「デザイナーの方にオーダーして、作ってもらったんですよ」と懐そうに話すオーナーさん。

絨毯も今では手に入らない大きな一枚ものだそうで、エレガントなバラ模様が空間を彩っています。また、階段のステンドグラスは、地元・岡本のアーティストによる作品。太陽の光がステンドグラスを透かし、やさしい光となって店内にも差し込みます。


さらに、外観のこげ茶色のレンガも職人が一つひとつ手作りしたもので、よく見ると微妙な凹凸があるのだとか。実際に外のレンガを観察してみると、ところどころに凹凸があり、手作りならではの質感があります。

どれも今ではなかなか出合えないものばかりで、まるで美術館や子どものころに読んだおとぎ話の世界のよう。ただ眺めているだけでも楽しく、時間を忘れてしまいそうになります。
昼と夜で雰囲気がガラリと変わるのも、こちらならでは。温かみのある昼間の雰囲気、夜のしっとりとした大人の雰囲気、どちらも違った魅力があり、色々な時間帯に訪ねてみたくなります。
とはいえ、オーナーさんによると「よく『入りにくいお店だと思っていました』と言われるんです」。確かに、外観だけを見ると洋館ならではのシックな雰囲気で、少しハードルが高く感じるかもしれません。でも実際に利用した人の多くが「入ってみたらとても落ち着く」と口にするのだとか。
静かすぎず、騒がしすぎず。何よりお客さんがみんな自由に過ごしていることで、心地よい空気が自然と生まれています。気づけば時間を忘れて長居してしまいそうです。

歴史やこだわりの詰まった唯一無二の空間で楽しめるのは、こだわりのドリンクとフードメニュー。コーヒーや紅茶はもちろん、パフェやケーキなどのデザート、さらにはサンドイッチやパスタ、ドリアなど種類豊富です。ティータイムだけでなく、朝・昼・夜の食事もできるのはうれしいですね。
また、コーヒーにチョコと生クリーム、オレンジピールを入れた「カフェボルシア」や、珍しい紅茶「シャリマティ」「ルシアンティ」など、他ではなかなか見ないメニューも多く、メニューを眺める時間も楽しいひとときです。「今度どれを頼もうかな」なんて、次の来店時のことを考えたくなるほど。

「お店で提供しているものは、すべて手作りしてるんですよ。これでもメニューの種類は減らしたくらいなんです」と笑うオーナーさん。
なかでも人気があるのは喫茶店らしい「自家製プリン」(500円)。見た目は昔ながらのしっかりとした固めのタイプ。スプーンを入れるとほどよい弾力があり、一口食べると、やさしい甘さとともに、ほろ苦いカラメルが口いっぱいに広がります。
どちらかというと大人向けの味わいなので、コーヒーとの相性も抜群。1人でゆったりとした時間を楽しむときに、味わいたい一品です。

そのほかにも、人気のプリンを使った「プリンアラモード」(780円)や「ミックスサンドウィッチ」(980円)なども、人気でおすすめです。

正月以外は年中無休で営業しており、9時半から21時(土・日曜は9~21時)まで、いつでも利用できるのも魅力のひとつ。
「『空いている時間が長くてうれしい』というお声もいただきます。毎日来てくださる方も多いですし、お店をできるだけ長く続けていきたい思いがあります」とオーナーさん。
いつでも温かく迎えてくれるので、ふと時間ができたときに立ち寄ったり、誰かとゆっくり話したいときに訪れたり……。「とっておきの居場所」として大切にしたくなるお店でした。
| スポット名 | カフェ・ド・ユニーク |
| 営業時間 | 9:30〜21:00(土・日曜は9:00〜21:00) |
| 定休日 | 無休(年末年始のみ休み) |
| 問い合わせ | 078-451-7522 |
| アクセス | 阪急岡本駅下車すぐ |
| 住所 | 兵庫県神戸市東灘区岡本1-13-15【MAP】 |
| URL | https://tabelog.com/hyogo/A2801/A280105/28019170/ |
ライター
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