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2019年にデビューした阪急電車の観光特急・京とれいん雅洛。
阪急電車といえば、マルーン色の車体にゴールデンオリーブ色のシート、木目調の壁などが伝統ですが、京とれいん雅洛は、京都の自然や伝統建築をイメージして作られた特別な観光特急、車体のデザインや車内のインテリアもいつもの電車とはまるで違います。

乗った瞬間から、みやびな京都の雰囲気に包まれて、京都に着く前から観光が始まっているかのよう。そんな京とれいん雅洛について、阪急電車のことならお任せ!TOKK編集部が乗車方法などの基本から、1両ごとに異なる車内の様子をご紹介します。
京とれいん雅洛に乗車できる駅は次の6つです。
阪急電車の大阪梅田駅、十三駅、淡路駅、桂駅、烏丸駅、京都河原町駅。
できれば、阪急大阪梅田駅、京都河原町駅から乗車し、約45分間の京とれいん雅洛の旅路を楽しんでください。
ちなみに、京とれいん雅洛が走っているのは阪急京都線のみです。※観光シーズンなどの特別な運行を除く。
| 大阪梅田駅発→京都河原町駅ゆき(1日4本) |
| 9:32(大阪梅田駅発)-9:36(十三駅発)-9:41(淡路駅発)-10:07(桂駅着)-10:13(烏丸駅着)-10:15(京都河原町駅着) |
| 11:32(大阪梅田駅発)-11:36(十三駅発)-11:41(淡路駅発)-12:07(桂駅着)-12:13(烏丸駅着)-12:15(京都河原町駅着) |
| 13:32(大阪梅田駅発)-13:36(十三駅発)-13:41(淡路駅発)-14:07(桂駅着)-14:13(桂駅着)-14:15(京都河原町駅着) |
| 15:32(大阪梅田駅発)-15:36(十三駅発)-15:41(淡路駅発)-16:07(桂駅着)-16:13(烏丸駅着)-16:15(京都河原町駅着) |
| 京都河原町駅発→大阪梅田駅ゆき(1日4本) |
| 10:41(京都河原町駅発)-10:43(烏丸駅発)-10:49(桂駅発)-11:15(淡路駅着)-11:21(十三駅着)-11:25(大阪梅田駅着) |
| 12:41(京都河原町駅発)-12:43(烏丸駅発)-12:49(桂駅発)-13:15(淡路駅着)-13:21(十三駅着)-13:25(大阪梅田駅着) |
| 14:41(京都河原町駅発)-14:43(烏丸駅発)-14:49(桂駅発)-15:15(淡路駅着)-15:21(十三駅着)-15:25(大阪梅田駅着) |
| 16:41(京都河原町駅発)-16:43(烏丸駅発)-16:49(桂駅発)-17:15(淡路駅着)-17:21(十三駅着)-17:25(大阪梅田駅着) |
運行日は土曜日、日曜日、祝日のみ。
観光シーズンなどは特別な運行日が設けられる場合があります。最新情報は阪急電鉄公式サイトよりご確認ください。※車両検査時などの場合には、代替の一般車両で運行します。
普通運賃のみで乗車することができます。
「京都へ観光に向かう際に、ご乗車された時から京都気分を味わってもらいたい」というコンセプトのもと開発されたのが京とれいん雅洛。「みやびな都(京都)へ向かう列車」=雅洛という造語が名前に採用されています。
6両で編成されている雅洛は、1両ごとに異なるデザインが特長です。
秋→冬→春→夏→初秋→早春と、1号車から6号車までそれぞれに違ったテーマをもうけ、花や鳥、伝統柄などを主体にした落ち着いたデザインで統一されています。
ここからは実際に正雀車庫で撮影した京とれいん雅洛の写真で車内の様子をご紹介していきます。

案内いただいたのは阪急電鉄株式会社 技術部工場課管理係 小澤正弘さん。


京とれいん雅洛の1号車の車体には、もみじをあしらった大きな扇(おうぎ)がデザインされています。そして「京とれいん雅洛」のロゴも。
車庫では、普通ならホームの下に隠れている車輪まで見えるため、ホームに立って電車を見るよりも、扇が大きく迫力があります。

紅葉の文様で代表的な「流水に楓(かえで)」がデザインされた座席。背もたれから、座る部分にまで畳が貼られているという驚きのデザインです。

一人掛けの座席も背もたれ部分に高さがあり、後ろの方の気配も気にならないよう工夫がされています。包み込むようなデザインのひじ掛けは木でできており、暖かみのある雰囲気です。

写真からも分かるように、通路部分も広く、ゆったりとしています。壁に沿って、横掛けのシートが配置されていて、奥までずっと見渡せるのが壮観ですね。

デビューした当初、とても話題になった枯山水の庭です。さまざまなデザインを施した観光列車が走る日本ですが、これはなかなかないのではないでしょうか。電車の中に庭があるというのがスゴイ!


1号車は秋、2号車は冬と続き、3号車のテーマは春です。桜ちらしの柄を使い、ピンクや淡いベージュでまとめられた柔らかな雰囲気の車内です。

3号車は窓に向かって座席が配置されています。この車両に乗って、桜の頃に西向日駅・西京極駅周辺など桜並木の続く場所を通ってみたら素敵だろうなと想像が膨らみます。


夏をテーマにした4号車は七宝紋の座席と市松柄の壁で統一され、6車両の中でも渋好みで、シックな雰囲気の車両となっています。

日よけはすだれが使われており、上部は雪見障子になっており、京町家の雰囲気そのままです。ゆったりと座れる一人掛けの席に座って、一人旅を楽しんでみるのもおすすめです。

秋が深まる前、初秋をテーマにした5号車。5号車にも坪庭が設けられており、つくばいや庭石が配されています。


明るい色を使った多色の市松模様で揃えられた車内はきらびやかな雰囲気。円窓の周辺には鶴や松といったおめでたいモチーフが描かれています。

京とれいん雅洛の車内で、一番印象的だったのは通路です。普段、利用している阪急電車とは違い、濃い木目調をした通路は広くゆったりとしています。
例えるなら、手入れの行き届いた老舗旅館の廊下のようなしつらえです。
座り心地やデザインを凝らした座席ももちろん素敵なのですが、車内を移動するためのスペース=通路までも、車内空間と溶け合い、広くゆったり見えるよう工夫されているのが、特別な雰囲気を作り出していると感じました。
電車の車内にあって当たり前のモノといえば、つり革や天井の照明です。京とれいん雅洛では、つり革をはじめ、照明などが全て和モダンなデザインで統一されていて、主張することなく、車内の風景に溶け込む工夫がされています。



伝統的な柄を表紙にした観光パンフレット。こちらも車内で手に取る事ができます。

全国の路面電車のデザインも手掛けられているというアルナ車両のデザイナーさんに、雅洛のデザインが出来上がるまでや、工夫された点などをうかがいました。
京とれいんの二代目となる雅洛は、乗った瞬間あっと驚くデザインを取り入れました。
京都の町家といえば、採光や風通しの為に坪庭があるのですが、「車窓を背景にした走る坪庭があれば面白いのでは?」というアイデアをもとにデザインしています。
庭は電車が動いてもばらばらにならないよう、白砂を固定するのに苦労しました。座敷から眺める感覚で楽しんでいただけるよう、庭のスペースは客室より照明を暗めにしスポットライトで庭をライトアップするなど、雰囲気をつくりだしています。
また、客室への入口にかけられているのれんは丹後ちりめんを使用しており、車内には実物の扇子を飾るなど、素材も京都にこだわっています。
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1号車から6号車までをじっくりと撮影するのは、お客様が乗車されているとなかなか難しく、今回は特別に車庫で撮影をさせていただきました。
「京都までの移動時間も楽しんでいただきたい」という気持ちがたっぷりこもった観光特急・京とれいん雅洛。行きも帰りも雅洛に乗って楽しんでいただければと思います。
2025.11.19 - 2025.11.25