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大阪府池田市石橋にある天然水の銭湯・平和温泉は創業55年、関西では珍しい富士山のタイル絵も見られるとあって、地元の人にはもちろん、ファンの間でも評判の銭湯です。
この記事では、編集部が実際に訪れて取材した内容をご紹介しています。
阪急電車の石橋阪大前駅を降りて、西改札口からのびる石橋商店街を北へ進むと、箕面川に出る少し手前に平和温泉があり、駅からは徒歩約2分です。
商店街の中に建っていますので、お風呂上りに、商店街の中の飲食店でビールをいっぱい!なんていうのもおススメです。
| 大人450円、中学生300円、小学生150円、幼稚園以下60円 |
| サウナ利用の場合は別途150円(バスタオル付き) |
| 大人回数券10枚 4,300円 |
| サウナ回数券11枚 1,500円 |
毎週土曜日 大人と小学生以下のお子様1人で入浴料が400円に
例えば…小学生のお子様と入浴の場合は600円→400円と200円お得です
毎月15日、30日 65歳以上の方は入浴料が200円に
※保険証など、住所と生年月日が分かるものをお持ちください。
何も持たず手ぶらという方でも大丈夫。有料タオルの貸し出しとシャンプーなどのセットも準備されています。

| 貸ハンドタオル 30円 |
| 貸バスタオル 100円 |
| 手ぶらセット 580円(入浴料・シャンプー・リンス・石鹸・貸ハンドタオル) |
| 駐車場(ザ・パーク池田天神) |
| 精算機で利用証明を発行し、フロントで提示して割引券をもらいます。 |
| ①20分100円(8:00〜22:00) ←この時間帯は200円割引 ②60分100円(22:00〜8:00) ←この時間帯は100円割引 |

浴室へ入ると、関西では珍しい富士山のタイル絵が目に飛び込んできました。
オーナーの中野さんから、「ザ・銭湯な感じがいいでしょ?タイルの産地としても知られる岐阜県の職人さんにお願いして描いてもらいました」と説明をいただきました。
2016年のリニューアル際に、一番こだわったのが浴室のタイルだったそうです。
昔から浴室に貼られていたタイルをできるだけ残せるようにと、タイルを洗ってきれいにし、目地だけを塗り替え、新しく加えたタイルも昔のタイルデザインに合うものだけを選んだのだそう。

タイル絵の富士山は男湯、女湯のタイル絵は金魚のデザインになっています。
最近、男湯にマジョリカタイルも貼られました。

微妙な凹凸が光に反射して、タイルの色が異なって見える面白い輝きかたをするそうで、オーナーの中野さんいわく「ぜひお湯をかけたりしてまじまじ眺めてみてください」とのこと。
できれば、明るい時間帯に見るのがおすすめだそうです。

脱衣場には、廃業される銭湯から受け継いだというすりガラスもはめ込まれています。銭湯が好きという方の中には、こういった“銭湯らしいインテリア”が楽しいという方も多いですよね。こういった設えを眺めるのも楽しいひとときです。

番台の前は温泉旅館のような落ち着いた雰囲気のロビースペース。番台では、オリジナルマスコット・ピースケをモチーフにしたグッズも販売されています。このグッズは平和温泉に通う常連の方たちが考案したもの。

ロビーにはオーナーの中野さんが厳選、銭湯を舞台にした書籍やマンガ、絵本なども置かれていて、銭湯ファンの心をくすぐります。

お風呂上りに、腰に手を当てて飲み干す冷たい飲み物…。一度はやってみたいですよね?
懐かしい瓶入りのコーヒー牛乳、箕面ビール「こざるIPA」、地サイダー「能勢ジンジャーエール」などがそろっています。
オーナーの中野さんに、これからの平和温泉について、そして意外と知らない「銭湯のタイル絵に富士山が多い理由」についてもお話を伺いました。
オーナーの中野さんにとっての銭湯の魅力は「色々な年代の人が一緒にお風呂に入るって距離の取り方とか学べること」と言います。
そしてこれからは、「一日の終わりにお風呂に入るという固定観念をなくせる提案をしたい。ご飯の前にさっぱりしてから出かけてもらうとか。今までと違う銭湯の使い方を広めたい」と考えておられるそうです。
お客さんの動きを観察したくて、営業中にお風呂に入ることもあるという中野さん。お客さんがお風呂に入っている様子をみて、改善のヒントを得ようというのが目的です。
こんな店主は珍しいとご本人もおっしゃていましたが、お客さんが銭湯をどんな風に使っているか知りたいと思うのは、経営者なら当然のこと。
心地よく過ごしてもらいたいという思いでいろいろな工夫がされて、またファンが増える。人気の秘訣を発見する取材となりました。

銭湯と言えば、壁画いっぱいに描かれた富士山が印象的で、いろいろなところでよく見る場面です。でも、なぜ銭湯に富士山の絵が描かれるようになったのでしょうか。オーナーの中野さんに伺いました。
富士山については、アニメやドラマなどで出てくる銭湯によく描かれていることから銭湯=富士山と捉えられがちですが、実は関東圏(昔から富士山が見える地域)以外ではほとんど見られません。
富士山が見えるエリア内では、富士山のペンキ絵は多いのですが、関西から富士山が見える場所はないためか、全くといっていいほど普及していません。
東京にあった銭湯・キカイ湯(1971年に廃業)で、子供たちに楽しんでもらうような絵を壁に描いてはどうかと発案があり、仕事を依頼した絵師の故郷が富士山近くの静岡だったことから、壁に富士山が描かれ、それが始まりです。
これが好評となり、しかも富士山は縁起が良い事から、他の銭湯も続々と取り入れだして今の状況になったと言われています。

私が、先代から事業を引き継いだ後に、学生さんの利用が増えてきたのですが、全国から集まってくる学生さんにもやはり「銭湯=富士山」というイメージがあって、「平和温泉には富士山の絵はないよ」と言われていることを、頻繁に聞くようになりました。
それを聞いて、改装時には壁に富士山を入れるのを絶対条件にしようと思ったのです。
また、関西はペンキ絵ではなくタイルに絵を描く「絵タイル」か、モザイクタイル絵が主流ですので、富士山の絵をタイルに描いてもらうことにしました。
ですので、平和温泉は、いわば関西スタイルの富士山ということになりますね。

日本人は世界に冠たる入浴文化を持つ民族だといわれています。銭湯は、江戸時代頃から、庶民の憩いの場、情報交換の場として親しまれてきたそうです。
編集部Kも週末は必ず銭湯です。銭湯に行った日は、ぐっすりと眠れ、翌週へ向けた準備も万端。夏はサッパリしますし、冬は体の芯からポカポカ。皆さんもぜひ銭湯へ!
2025.11.19 - 2025.11.25