尼崎 TOKK
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尼崎 TOKK
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26.03.17
関戸 直広
1995年生まれ。埼玉県さいたま市出身、さいたま育ち。

阪神尼崎駅から徒歩で5分ほど。江戸時代の城下町風情が残る街並みを歩くと、レトロな赤レンガの建物が姿を現します。尼崎信用金庫創立時の本店事務所です。 そのすぐ近くにある2代目本店が、今回の目的地の世界の貯金箱博物館。
世界各国の貯金箱が25,000点も収蔵されている博物館は、子どもから大人まで楽しめること間違いなし。館長に見どころをご案内いただきました。
貯蓄と人々の暮らしの関わりを示す資料として、1970年代ごろから貯金箱を収集していた尼崎信用金庫。
「美術商や骨董商からの購入品や、当時の役職員が旅行や視察先で見つけたお土産品などを収集し、昭和59(1984)年に初代本店(現在の尼信記念館)を改修して『昔の貯金箱博物館』としてオープンしたのが始まりです」と、貯金箱博物館の館長を務める見通勉さん。

当初の展示品の数はおよそ600個だったそう。
その後、「海外のコレクターからの購入やお客様からの寄贈もあり、収蔵個数は7,000点を突破。創業70周年記念の事業のひとつとして、現在の場所と名称にリニューアルオープンしたんです」。

現在は古代から現代に至るまで世界62カ国、およそ25,000点を超える貯金箱を収蔵。これは公開されている中では、質・量ともに世界最大級の貯金箱博物館なんだそう。
テーマごとに見やすく分類され、現在は12のコーナーに分けて貯金箱を展示中。そのうちのいくつかをご紹介します。
館内に入ってすぐ左にある「世界の貯金箱」コーナー。こちらでは、世界各国の代表的な貯金箱が国旗とともに展示してあります。

たとえば、タイの国旗のところに並べてある貯金箱はカタツムリ。「なぜカタツムリが貯金箱になっているのか気になって調べてみたところ、カタツムリの粘液の成分を使ったスキンケアアイテムがタイでは人気のようなんです」

ベルギーなら国民的キャラクターのスマーフ、スイスなら時計型、オランダなら風車をモチーフに……と、その国の特色が貯金箱に現れていて、まるで世界旅行している気分になります。

希少なアンティーク貯金箱
続いて、欧米の中世から近代にかけての古い貯金箱を展示するアンティークコーナー。中世ヨーロッパのジョッキ型や教会、リンカーンやチャーチルなど人物を型取ったものまで、国内でも希少な貯金箱がずらりと並びます。

「この時代のドイツ製の貯金箱は、金属に見えるけども紙でできているんです。戦時中だったので、金属が貴重だったのがわかりますね」と、見通さんが説明してくれました。
中でも珍しいのが、19世紀ごろに作られていたという「メカニカルトイバンク」と呼ばれる貯金箱。
「南北戦争が終わってしばらくしてからの時代に作られ始めた、からくり式の貯金箱です。戦争が終わると鉄や金属がたくさん残るので、その金属を使ってアメリカのおもちゃメーカーがいろんなからくり式の貯金箱を作り始めたんです」

見通さんもお気に入りという「タマニーバンク」は、腰掛けている役人の手にコインをつかませると、ゆっくりと懐にコインが入る仕組み。

ほかにも犬が曲芸で輪を飛び越えるからくりや、鉄砲からコインが放たれる戯曲「ウィリアム・テル」を題材にした貯金箱など、どの貯金箱もユーモラスな仕掛けがたっぷり!
続いて案内してくれたのは、貯金箱のうつりかわりコーナー。

「ヨーロッパでは教会に置かれた献金箱が貯金箱のルーツといわれているんです。貨幣が登場するずっと前から使われていて、古代エジプトやギリシャ、エルサレムなどの古い遺跡でも発見されているんです」

日本の貯金箱のはじまりは、縄文時代の末期ごろに使われ始めた「甕(かめ)」ではないかと考えられているそうです。
「室町時代あたりになると、銭を入れる役割をしていた銭瓶壺(せんべいつぼ)が使われ始めました」

「ヨーロッパやアメリカの貯金箱は取り出し口があるものが多いんですが、日本の貯金箱は割らないと取り出せないものが多いんです。海外は“献金”の器として使われたのに対して、日本の貯金箱は“コツコツと貯める”器として使われてきた文化の違いかもしれません」と、見通さん。
コレクションを見るだけでなく、貯金箱の歴史や文化の違いも知ることができました。
1階の奥にあるのが、明治時代からの日本の貯金箱を展示する〈メイドイン日本〉コーナー。

障子を入れた和風なガラスの中には、招き猫や恵比寿様、大国様など縁起のいい貯金箱がたくさん並べてあって、なんだか金運が上がりそう。時代劇でお馴染みの千両箱もありました。

「ある意味で、館内で一番大きな貯金箱はこの部屋なんです」と見通さん。実はこのコーナー、元々は金庫室として使われていた場所をそのまま使っているんです! 金庫の扉の分厚さにも注目してみてください。

1階だけでも見応えたっぷりですが、貯金箱は2階にもまだまだたくさん! 2階には、昔懐かしのキャラクターから、今の世代に人気のアニメまで世代を超えて人気のキャラクターコーナーや……。

モチーフや素材ごとに集めた貯金箱も。

「貯金箱といえば」で思い浮かべる方も多いであろう「豚」の形の貯金箱もたくさん並べてありました。

「豚は全身が無駄なく使えることから、無駄遣いのない動物として古来から大切にされてきたことや、子どもをたくさん産むため縁起の良い動物とされてきました。また、小銭を貯めるために使っていた赤い粘土の瓶が『ピッグ』と呼ばれていて、豚と聞き間違えたなど、諸説あるんですよ」
世界的にも多い豚をモチーフにした貯金箱のほか、いろいろな動物貯金箱を種類ごとに展示した〈かわいい動物たち〉コーナーなど見所はたくさん!
2階の最大の見どころはこちらの「貯金箱ランド」! およそ650個の貯金箱を使って作られた巨大なジオラマはまるでおもちゃの国。


東京スカイツリー(R)や高層ビルが立ち並ぶ大都会、道路の上を走る車や海を泳ぐ魚の姿。見ているだけでワクワクしてきますが、実は「よく見るとちゃんとストーリーになっている」とのこと! ゆっくり時間をかけて見るのがおすすめです。

館内にはまだまだご紹介しきれなかった貯金箱やコーナーもたくさん。観光客だけでなく、夏休みの自由工作のアイデア探しに地元の小学生も訪れるそう。
また、入り口正面のメイン展示コーナーでは、月替わりでテーマを変更して特別展示をしています。

キャッシュレス決済がすっかり浸透した現代。硬貨に触れる機会は減ったかもしれませんが、貯金箱は単にお金を入れるための道具ではありません。そこには、その国や時代の暮らしや文化が映し出されています。
ユニークなコレクションの中から、自分のお気に入りを探す時間は、きっと宝探しのよう。あなたもとっておきの貯金箱を見つけに出かけてみてはいかがでしょうか。

| スポット名 | 世界の貯金箱博物館 |
| 時間 | 10:00~16:00 |
| 定休日 | 月曜日、祝休日(土・日曜と重なる場合は開館) |
| 入館料 | 無料 |
| 問い合わせ | 06-6413-1163 |
| アクセス | 阪神尼崎駅下車 約5分 |
| 住所 | 兵庫県尼崎市西本町北通3-93【MAP】 |
| URL | https://www.amashin.co.jp/sekai/ |
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