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25.12.22
野村
大阪を拠点に関西のあちこちに出没する取材ライター。おもに京阪神エリアで取材しています。

大空から見る圧巻の景色、人がたどり着けない場所の映像……今や、ドローンで撮影された映像を見ない日はないというほど、ドローンは私たちの生活に少しずつ身近な存在になってきました。
ドローンに興味を持ち、実際に手に取る人も増えています。そんなドローンを、まだ世の中でほとんど知られていなかった頃から扱ってきた人物が大阪・十三にいます。
その人物は(株)Sky Shot Worldの執行役員・副社長で、一般社団法人 関西ドローン安全協議会の事務局長でもある、高本浩一さん。ドローンとの出合いから現在の取り組みまで、詳しい話を伺いました。

(株)Sky Shot World 執行役員・副社長
一般社団法人 関西ドローン安全協議会 事務局長 高本浩一さん
川崎重工でエンジンの開発に携わり、JAXAと共同研究を行うなど、航空分野の技術職として従事。その後、メーカーや呉服店での勤務などを経て起業。平成22(2010)年ごろよりドローンの世界に関わる。
取材に訪れたのは、「Sky Shot World」のオフィス兼「一般社団法人 関西ドローン安全協議会」の事務局。室内には飛行機や大小さまざまなドローンがずらりと並んでいます。


これらのさまざまなドローンを使いこなす高本さんがドローンと出合ったのは平成22(2010)年のこと。
「会社を退職したあと、起業して会社経営をしてきました。ドローンに出合うまでは、ラジコンやヘリのパーツを設計・販売していたんです。海外からの仕入れを行っていたのですが、たまたまそこで出合ったのがドローンでした。『おもしろそうだ』と思って、すぐに輸入しました」、とドローンの出合いはまさに偶然だったのだそうです。
とはいえ当時はドローンという存在自体が世間でもほとんど知られていない時代。それゆえ高本さんは独学でドローンを学び始めたそうです。
そしてドローンと真摯に向き合い続けた結果、現在ではドローンの販売や撮影などの技術を提供する企業の経営を行うだけでなく、関西のドローン業界仲間とともに「一般社団法人 関西ドローン安全協議会」を立ち上げ、ドローンの安全運航の啓蒙やドローン操縦士や安全運航管理者を養成するスクールで指導も行っています。
そんな高本さんが主に使用しているのは、中国メーカー「DJI」のドローン。世界トップシェアを誇るメーカーで、業界を牽引しています。操縦のしやすさが群を抜いており、安定して飛行できるのが特徴。高本さんのオフィスにも、DJIのドローンが数多く並んでいます。

ドローンといえば、やはりイメージするのは空撮。実際に高本さんも、「ドローンが認知されてきたころには、空撮の仕事がほとんどでしたね」と振り返ります。ドローンが普及する前にはなかなか見られなかった映像が気軽に見られるようになったのは、とてもうれしいことです。
しかし、「最近では撮影の仕事よりも、測量や点検をはじめとした撮影以外の仕事が増えています」と高本さん。
これまでは足場を組まないとチェックできなかった高所や狭いところなどを点検や測量するときには、ドローンを使うことでチェックが気軽にできるように。
また、「この前は猿の群れを追いかけるという仕事もありました。農作物が猿に荒らされてしまうという被害があり、その群れをコントロールするというミッションで、ドローンを上手く使って猿の群れを誘導することで、農作物の被害を防ぎました」。

意外すぎる仕事の内容ですが、ドローンが活躍するシーンが実に幅広いことが分かります。
さらに、「最近よくニュースになっている熊も、ドローンで撃退できるんです」と高本さん。山中にドローンを飛ばし、犬の鳴き声をドローンから流すことで、熊を遠ざけるのだそうです。
また、香川県の金比羅山では防災訓練にも参加し、ドローンで離島から救援物資を届ける訓練を行ったのだとか。
「山の上で被災した方が山から降りられなくなったという想定で訓練を行政や自衛隊の方々と行いました。大型のドローンを使用し、救援物資はAEDや簡易トイレや食料などを運びました。実際に物資を離島から安全に運ぶことができ、何かあったときの備えとなりました」。

撮影だけにとどまらず、人を危険から守り、人を助ける。より身近なところまでドローンの活躍の幅が広がっています。
前述したように平成22(2010)年という早い時期からドローンに触れてきた高本さんは、ドローンの専門家として警察や行政から相談されることがとても多いそうです。
「実は今年(2025年)開催された大阪・関西万博の警備に関して、大阪府警から相談いただいていました」と高本さん。ドローンを使った犯罪を防ぐために、どのようなルールや施策をするべきか相談があったそうで、高本さんはドローンの専門家として参画。
「要人が訪れる国際イベントでは、爆発物を使ったテロなどの危険性も高まります。安全に運営するためには、ドローン自体の飛行を禁止する必要があると判断しました」と、万博会場の周囲約1kmでドローンの飛行が禁止するなどのルールを提案し、万博の安全を守ったのです。
その結果、無事に万博の会期を終えることができました。「何事もなく、無事に終えられて、正直ホッとしています」と振り返ります。
私たちが安心・安全に万博を楽しむことができたのは、裏でこのように活躍してくださっていた方がいたからこそだと改めて感じました。日常生活でも、私たちの知らないところで危険から守られているのかもしれないとも感じます。
そのほかにも、令和元(2019)年6月に大阪で開催された「G20大阪サミット」でも、ドローンの知見を活かして警護にも貢献。こうした社会貢献活動が評価され、先日、大阪府警察淀川警察署より表彰されました。

「一般社団法人 関西ドローン安全協議会」でドローンの操縦士や安全運航管理者を養成するスクールの講師としても活躍し、ドローンに初めて触れる人から、講師をしている人にも指導を行っている高本さん。

「これからさらにドローンが普及し、さまざまな分野で活躍することが考えられます。操縦できる人を増やしていきたいと思っていますが、何よりも『安全に運航できる人』を育てることを重視しています」。
現在、ドローンは国が発行する免許がなくても操縦できますが、空を飛ぶ以上、常にリスクが伴います。
「法改正によって少しずつドローンを飛ばすルールは厳しくなっていますが、実際に操縦する人の意識が伴わなければ意味がありません。民間のドローンスクールも増えていますが、ドローンの操縦に興味のある方はきちんとドローンのことをよく理解した専門家から学んで欲しいと心から願っています」と高本さん。
そんな高本さんが指導するスクールは「一般社団法人 関西ドローン安全協議会」が開催しています。実際にドローンの操縦を体験できるイベントも定期的に開催されているので、気になる方はぜひHPをチェックして問い合わせしてみてください。
ライター
2026.1.4 - 2026.1.10