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十三小学校の6年生が地域のみなさんに春を届ける「菜の花畑プロジェクト」を取材しました

26.03.23

岡田あさみ

岡田あさみ

神戸生まれ大阪在住。出版社広告進行→編集プロダクション→フリーランスのライターとして独立。

十三小学校の6年生が地域のみなさんに春を届ける「菜の花畑プロジェクト」を取材しました
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大阪市淀川区にある大阪市立十三小学校は、1926年創立の歴史ある小学校で、2026年に創立100周年という大きな節目を迎えます。阪急十三駅にほど近く、学校のすぐそばを電車が走るという街中ならではの立地も特徴で、地域と密接につながりながら歩んできた“まちの学校”です。

大阪市立十三小学校

児童数は約150人規模と比較的コンパクトで、一人ひとりの主体性を大切にした教育が行われています。そんな十三小学校で学ぶ6年生は、まもなく迎える100周年を前に「99期生である自分たちが、何か形に残ることをしたい」という思いを抱きました。

長い歴史のバトンを受け取る世代として、次の100年へとつながる活動を――。その中で生まれたのが「菜の花畑プロジェクト」です。日々の通学で目にする風景や、学校の立地を生かした発想からスタートしたこの取り組みは、地域や沿線の人々に向けた“春の贈り物”へと発展していきました。

きっかけは、線路を挟んですぐ隣にある十三中学校の壁画。生徒たちが楽しそうに歩く様子が描かれたイラストは、地域の人々の目を楽しませています。そんな光景を見て、6年生は「自分たちにもできることがあるのでは」と考えたのです。

線路を挟んだ向かいにある十三中学校の壁画。イラストと同じポーズでパチリ。どんな中学校生活が待っているのか楽しみですね

そこで目をつけたのが、阪急電車がすぐ横を走る校内の学習園。例年、冬の間はしばらく何も植えられていない状態でしたが、「この場所を菜の花でいっぱいにしたら、通勤・通学中の人たちに“春”を感じてもらえるのでは」と純粋な思いが生まれました。阪急電車の沿線に位置する学校ならではの発想で、学習園を菜の花で満たす計画が動き出したのです。

プロジェクト始動前の学習園のようす。雑草がたくさん生えています

プロジェクトは勢いだけではなく、綿密な計画のもと進められました。学習園は幅1.5メートル、長さ57メートル、面積85.5平方メートルという広さ。15センチ間隔で植える計算から、必要な種は1万粒以上と算出。さらに、種の費用や水やりの当番、虫対策、次年度への引き継ぎまで、子どもたちは自分たちで課題を洗い出し、解決策を考えていきました。

インターネットやAIを活用した調べ学習に加え、チームに分かれて問題点を紙や付箋に書き出し、何度も話し合いを重ねたそうです。ひとり1台のパソコンでAIなどのツールを使いこなす姿に感心する一方で、紙に書き出して考えを共有する方法は昔と変わらないもの。手を動かし、顔を見て話すことの大切さを改めて感じさせられました。

問題点を書き出し、ひとつひとつ話し合って解決。みんなの本気度が伝わります

2025年10月にプロジェクトがスタートしてから約3週間後、準備が整い、いよいよ作業が始まりました。中でも特に大変だったのが土づくりです。

一番大変だった雑草抜き。一人だったら途方に暮れそうな作業ですが、みんなで声を掛け合ってがんばりました

学習園一面に生えた雑草を抜き、土を耕し、石灰を混ぜて一定期間寝かせた後、さらに肥料を加えるという工程を丁寧に実施。科学的な知識を学びながら環境を整えていく様子は、まさに本格的でした。種まきでは手作りの定規や割り箸を使い、15センチ間隔で穴を開けて3粒ずつ植える方法を考案。チームワークを発揮しながら、広い学習園に正確に種をまいていきました。

石灰と牛ふんはアンモニアを発生させてしまうので、日をあけてまきます
独創的な種まきシステムを考案。使い終わった割り箸は、バケツリレーで次の人に渡して効率よく進めます

10月にまかれた種は11月には芽を出し、冬の間にしっかりと育成。2月にはつぼみが現れ、やがて黄色い花が咲き始めました。長い準備と日々の世話の積み重ねにより、学習園は見事な菜の花畑へと姿を変えつつあります。

筆者が訪れたのは、菜の花が咲き始めた3月初旬。十三小学校6年1組のみなさんに会いに行きました。一学年1クラス24人の仲間は、1年生からともに過ごしてきたこともあり、とても仲が良く元気いっぱい。

5時間目まで授業を受けたあとにもかかわらず、放課後まで残って校門で迎えてくれ、丁寧に案内してくれたことに感激しました。

フェンスのすぐ向こうを阪急電車が走ります。十三駅が近づいたらぜひ外を見てみてください

土づくりや種まきといった作業だけでなく、この取り組みを知ってもらうための広報活動にも挑戦。地域や行政、企業へ情報発信を行い、その一環としてTOKK編集部にも取材依頼のメールを送ってくれました。AIの力も借りながら一生懸命に考えた文章に心を動かされ、今回の取材が実現しました。みなさんは、返事がくるのを毎日ドキドキしながら待っていてくれたとか。

パソコンで調べものをしたり、資料をチェックしたり。みんな使いこなしています
6年生がcanvaでつくった広報用ポスター

ポスターはCanva、メールや調べものはChatGPTを活用するなど、広報活動にも積極的。デジタルツールを使いこなす姿に驚かされる一方で、自分の言葉で伝えることを大切にしている点も印象的でした。担任の植西先生の指導のもと、子どもたちの主体性がしっかりと育まれていることが感じられます。

大阪市立十三小学校 6年担任の植西智彦先生

プロジェクトに携わった6年生のみなさんの声をそのままお届けします。

「黄色のきれいな帯ができると思います!阪急電車に乗るときは、ぜひ十三小学校側を見てください」

「黄色のお花がたくさん咲いていると思うので、通勤時にぜひ十三小学校を見てください」

「6年生みんなで心をこめて育てたので、仕事で疲れたときは、電車から十三小学校側の窓を見てください」

「99期生のプライドで、ここまで育てあげることができました」

「十三中学校に進学しても、菜の花畑を見て十三小学校を思い出したいです」

「このプロジェクトがうまくいったら、次の6年生(100期生)に受け継いでほしい」

「”喜八洲(きやす)のみたらしだんご”みたいに十三の名物になったらいいな」

6年生のみなさんは、3月18日に無事に卒業式を終えられたとのこと。ご卒業おめでとうございます!

十三小学校では、100周年の記念式典が11月28日(土)に開催予定。前夜祭は11月27日(金)に行われます。地域とともに未来へバトンをつなぐ特別な二日間となりそうです。

このプロジェクトは、ただ花を育てる活動ではなく、「誰かを喜ばせたい」という思いを形にした取り組みです。みんなで育てた景色が、街にやさしい彩りを添えていきます。

阪急電車に乗ったときは、スマートフォンを少し置いて、窓の外を眺めてみてください。もうすぐ桜の季節。校庭の桜のピンクと菜の花の黄色が織りなす、春らしい風景が広がります。

大阪市立十三小学校6年1組(99期生)のみなさんと担任の植西智彦先生(左)
2026年3月19日の様子
店舗・施設・スポット名大阪市立十三小学校
時間
定休日
問い合わせ06-6301-0990
アクセス阪急十三駅下車約8分
住所大阪市淀川区十三東4-3-6【MAP
公式URLhttps://swa.city-osaka.ed.jp/e641396

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岡田あさみ

十三_淡路_上新庄ライター

岡田あさみ

神戸生まれ大阪在住。出版社広告進行→編集プロダクション→フリーランスのライターとして独立。 情報誌やWEBでグルメ、音楽、お笑い、アート、旅、防災など幅広いジャンルを執筆しています。仕事とプライベートの境目なく毎日ゴキゲンに暮らしています。

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