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史上初インカレ4連覇! 大阪成蹊大学フットサル部が成し遂げた偉業の秘密とは

25.11.25

野村

野村

大阪を拠点に関西のあちこちに出没する取材ライター。おもに京阪神エリアで取材しています。

史上初インカレ4連覇! 大阪成蹊大学フットサル部が成し遂げた偉業の秘密とは
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令和7(2025)年8月、大阪成蹊大学フットサル部が史上初の快挙となるインカレ4連覇を成し遂げました。これまで
誰も成し得なかった4連覇。
その裏には、強豪校らしい技術や戦術だけではなく、「仲間を信じて支え合う力」がありました。注目のインカレの決勝試合をはじめ、普段のチームの様子や今後の目標など、話題のチームの全貌に迫りました。

大阪成蹊大学フットサル部 集合写真

メンバー紹介
前列左から、大野 頼基選手(4回生、清明学院高等学校卒)、鈴木 大輝選手(3回生、聖和学園高等学校卒)、廣崎 寧央選手(2回生、芦屋学園高等学校卒)、宮田 惇平選手(2回生、花咲徳永高等学校卒)、中島 啓太選手(1回生、帝京長岡高等学校卒)、井口 晴斗選手(2回生、静岡学園高等学校卒)、川原 那月選手(3回生、米子松陰高等学校卒)
後列左から、新井 大樹選手(2回生、大阪府立阪南高等学校卒)、山縣 隼夫選手(4回生、帝京長岡高等学校卒)、河野 啓人選手(2回生、近畿大学泉州高等学校卒)、近藤 怜応(3回生、帝京長岡高等学校卒)、浅野 岬選手(2回生、聖和学園高等学校卒)、道下 楓生選手(4回生、大阪商業大学高等学校卒)、横田 翔 選手(4回生、作陽学園高等学校卒)

楽しさと本気が同居する練習風景

取材で訪れたのは、阪急京都線相川駅近くにある大阪成蹊大学の体育館。
ここで同部は週5~6日、18時45分頃から20時台まで練習をおこなっています。

全国4連覇という実績から、練習場にはピリピリとした空気が漂っているのかと思いきや、意外にも“和気あいあい”とした雰囲気。

大阪成蹊大学フットサル部 練習風景1

選手たちが声を掛け合い、笑顔もこぼれながら、のびのびとプレーしています。ただ、その雰囲気とは裏腹に、プレーはさすが全国トップレベル。
蹴り込まれるボールの速さ、ぶつかり合う音、コートを走り抜ける迫力。見ているだけで圧倒される強さを感じます。

練習が終わったのは21時前。全国王者のチームとはいえ、“長時間ではなく効率重視”。限られた時間で全力を出し切る姿勢が印象的でした。

大阪成蹊大学フットサル部 練習風景2

監督交代のプレッシャーと、それを支えたチーム力

華々しい4連覇の裏で、実はこの春チームには大きな変化がありました。これまで指揮を執っていた佐藤監督が全日本の指導スタッフ就任に伴い、新たに磯村直樹さんがフットサル部監督に就任しました。

監督に就任するまで、プロの現場で長くプレーしていた磯村監督は、合流時の印象をこう語ります。「若さゆえのノリや勢いがあるという印象がありました。良くも悪くも“大学生らしさ”を感じましたね。でも、その勢いをチーム力として発揮できると感じています」。

大阪成蹊大学フットサル部4

しかし、3連覇中のチームを引き継ぎ、史上初となる4連覇を目指している時期での就任。
そのプレッシャーは計り知れません。

「正直、ものすごくプレッシャーがありました。だからこそ、4連覇が決まった瞬間は、うれしいというよりホッとしました」と、インカレで優勝した瞬間を振り返る磯村監督。

そんな磯村監督が4連覇を目指すうえで、どのようにチームの指揮を取ってきたのでしょうか。

「『攻守において主導権を握る』ことを軸にしています。たとえ守備のときでも主導権を実は握っている状態を目指すなど、メンタル的にも攻撃的姿勢を取れるような組織へと導けるよう時間をかけてきました」と磯村監督。

結果、選手たちは4連覇を果たしただけではなく、その後11月の「関西学生フットサルリーグ 2025」で優勝し、大阪代表として、もう一つの全国大会である「地域大学フットサルチャンピョンズリーグ」(12月末開催)に出場が決定しました。

大阪成蹊大学フットサル部5

キャプテンが語る「チームの絆」

輝かしい活躍の裏で、選手たちはどのようにチームと向き合っているのでしょうか。練習後に話を聞かせてくれたのは、前キャプテンの横田翔さん(4年生)と、新キャプテンの川原那月さん(3年生)。

“なぜこのチームは強いのか”を尋ねると、技術ではなく「人」を語る言葉が返ってきました。

大阪成蹊大学フットサル部 横田さんと川原さん

横田さん:「いい意味で上下関係があまりないですね。本当に仲がいいチームです」

川原さん:「練習外でも仲が良くて、ふざけあったりします。でもフットサルには真摯。メリハリがあります」

練習の雰囲気そのままに、彼らはピッチ外でも“仲間”としての絆が強いようです。ちなみに横田さんと川原さんもプライベートでも仲が良いそうで、学年が違ってもよく一緒に過ごしているのだそう。

接戦で白熱したインカレ決勝の試合の感想を尋ねると、

横田さん:「決勝の相手、順天堂大学との試合は延長戦にもつれ込むほどの接戦でした。勝った瞬間は、本当にホッとしましたね」

川原さん:「決勝の試合は、今シーズンでチーム力が一番出た試合だと思います。インカレってすごく思い入れがあるんですが、史上初の4連覇がかかっていたし、試合に出られない人たちの想いも背負ってプレーしていました。でも僕たち試合に出ていたメンバーだけじゃなくて、試合に出ていないメンバーたちはベンチから応援する形で一緒に戦ってくれて。総合的『チーム力』で勝てたと思っています」

大阪成蹊大学フットサル部7
大阪成蹊大学フットサル部8

横田さん:「実は決勝の3日前に同じ4年生の仲間が怪我をして出られなくなったんです。普通なら落ち込むと思うんですが、彼は自分ができることを探して“スカウティング班”に入りました」

スカウティング班とは、相手チームを分析し映像をまとめる役割。
その仲間は徹夜で分析し、決勝に向けての映像を作成したのだそう。

横田さん:「その映像を見て、僕たちは勝つ戦い方を掴めたんです。彼の力がなければ勝てなかった。全員で勝った試合でした」

今の自分ができる最大限のことを行い、チームに貢献したチームメイトのことに最大限のリスペクトを送る横田さん。このエピソードに強さの理由が凝縮されているように感じます。

大阪成蹊大学フットサル部9

監督交代という“変化”を乗り越えた

選手たち自身も、この春あった監督交代に戸惑いがなかったわけではありません。

横田さん:「これまで指導してくださっていた佐藤監督から磯村監督に変わって、はじめはやっぱり戸惑いがありましたね。これまでの価値観が覆されて、これまでコミットできてなかったことにコミットするようになったと思います。そうできるようになるまでは、監督とコミュニケーションをかなり取ったと思いますね」

川原さん:「コミュニケーションを大切にして、僕たちが残したいものと磯村監督のめざすフットサルを融合したというか。かなり試行錯誤して、4連覇できた今があると思います」

1年未満と短い時間にも関わらずチームの絆は、監督と対話を深くすることで縮まったそう。練習後にも積極的に声をかけたり、質問をしたり、自分たちの意見をしっかりと言い合える風通しの良さも、彼らの強みなのです。

4年生はまだ戦い続ける

インカレ4連覇を果たした皆さんですが、実はまだ4年生も在籍中。というのもインカレはまだ通過点なのです。

大阪成蹊大学フットサル部10

横田さん:「今は昨年優勝した12月末の『地域大学チャンピオンズリーグ』と、3月に開催される『全日本フットサル選手権大会』に向けてがんばっています。『全日本フットサル選手権大会』はプロのチームも出場する大会なのですが、昨年はFリーグ(プロフットサルリーグ)のチームに負けてしまったんです。だから今年は絶対にFリーグのチームを倒したいです」

川原さん:「横田くんとチームの目標は同じで、大きい大会の2つをがんばりたいですし、何より4年生のみんなと一緒にフットサルをする時間をなるべく伸ばしたいですね!」

勝利だけではなく、“仲間と過ごす時間を大事にしたい”という言葉が、またこのチームらしさを感じます。

試合の情報は公式インスタグラムにて発信中

今シーズンもまだまだ続く大阪成蹊大学フットサル部の活躍。試合情報や日々の活動については、広報部と呼ばれる、部の広報活動を担当するメンバーたちがインスタグラムで情報を日々発信しています。

大阪成蹊大学フットサル部がつかんだ史上初のインカレ4連覇は、技術や戦術だけでは成し得なかったものです。
仲間を信じ、支え合い、役割を超えて助け合う。そんな絆が勝利の原動力になりました。彼らの挑戦はまだ終わりません。


強いから勝つのではなく、仲間を想う気持ちが強いから勝てるチーム。
そんな大阪成蹊大学フットサル部の今後の活躍に注目です。

▼大阪成蹊大学フットサル部公式インスタグラム
https://www.instagram.com/osaka_seikei_futsal/

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