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関西広域
26.02.26
TOKK編集部
創刊50年を超える阪急沿線情報紙TOKKと、WEBメディア・TOKK関西を運営しています。

目次
ちょっと一息入れたいとき、おいしい和菓子があればうれしいですね。やさしい甘さのお饅頭や、和洋の枠を超えたどら焼きなど。京都市東部のまち、山科で地域の人に愛されている和菓子屋さんを巡りました。
京焼や清水焼の工房や窯元、問屋などが集まる清水焼団地近く、大石街道沿いの「萬屋琳窕(よろずやりんちょう)本店」は創業40年余の和菓子屋さんです。お店の中に入って圧倒されるのは、ずらりと並んだどら焼きのパッケージ。「うちの店の主力商品です」と二代目を預かる戸島健一朗さんが自信を持って話します。

「夢銅鑼焼」と名付けられた萬屋琳窕のどら焼き。添加物をできる限り使わずに小麦粉と卵を絶妙なバランスで混ぜ、店内で1枚1枚ていねいに焼き上げられる皮は、ふっくら&もっちり食感。焼きたてはもちろん、あんこなど具材を挟んでしばらくおくと、その水分を含んでしっとりとした食感も感じられるようになります。

定番の「夢銅鑼焼」に挟まれているのは刻み栗の入ったつぶあんです。「ぜんざいに近いかな、という柔らかさで炊いています。みずみずしく、フルーティーな味わいで、あんこが得意でない人でも、ウチのあんこなら大丈夫と言っていただけることもあるんですよ」。

「夢銅鑼焼」のラインアップは約10種類。定番のあんこや抹茶あずきのほか、コーヒーやラムレーズンといった洋風の味もあります。春には季節限定の桜あんも登場。どれにしようか迷ってしまいます。

「2026年春頃から、本店では焼き立ての夢銅鑼焼も販売を開始します」。パンケーキのようなふわふわの「夢銅鑼焼」が購入できるのは本店のみ。少し足をのばせば、大石内蔵助ゆかりの桜の名所、大石神社や岩屋寺、花山稲荷などを巡ることもできるので、桜散策の途中にぜひ、立ち寄ってみてくださいね。

| スポット名 | 萬屋琳窕 本店 |
| 営業時間 | 9:00〜18:00 |
| 定休日 | 水曜 |
| 問い合わせ | 075-592-4628 |
| アクセス | 地下鉄東野駅下車 約30分、または山科駅より京阪バス乗車、川田(清水焼団地)停下車 約5分 |
| 住所 | 京都市山科区川田百々2-4【MAP】 |
| URL | @yorozuyarincho_official |
山科の地で100年近くの歴史を持つ「京菓子司 芳治軒」は、京都市内にある老舗和菓子店「塩芳軒(しおよしけん)」で修行をした初代が暖簾分けをして始めたお店です。「京菓子らしさを大切にしています。京菓子の特徴は抽象的な表現にあります。季節の風物をそのまま形作るのではなく、風景を連想させるような意匠を心がけていますね」。そう話すのは、三代目主人・清水幸治郎さんです。

「芳治軒」の定番の上菓子がこちらの「蕨餅(わらびもち)」。本来は春先のお茶の稽古によく登場するものですが、「芳治軒」では、年間を通して販売しています。スルリと口の中でほどける柔らかいわらび餅でこしあんを包み、黒大豆を使った黒寿きなこをたっぷり振って仕上げます。

また、山科は忠臣蔵で知られる大石内蔵助ゆかりの地。そんな史実にちなんで山科の名物になるようにと初代が考案した饅頭「大石饅頭」も人気です。

この「大石饅頭」は、「塩芳軒」の銘菓「聚落(じゅらく)」と同じ製法で、和菓子によく使われる和三盆糖を精製する際に出る和糖蜜を練り込んだ生地にこしあんを包んで焼き上げます。飴色の深い焼き色の表面には、討ち入りにちなんで陣太鼓の焼印が押されています。じっくり焼き上げられているので、口に入れるとこしあんがホロリ。皮のほろ苦さとのバランスがなんとも見事な調和を感じさせます。

新しいお菓子をつくる時には、初代が遺した手帳を開くという清水さん。和菓子が日々の彩りになればと、穏やかな笑顔で話してくださいました。
| スポット名 | 京菓子司 芳治軒 |
| 営業時間 | 9:00〜19:00 |
| 定休日 | 火曜 |
| 問い合わせ | 075-594-5523 |
| アクセス | 地下鉄椥辻駅下車 約5分 |
| 住所 | 京都市山科区椥辻中在家町9-1【MAP】 |
| URL | @yoshijiken |
和菓子、洋菓子といったカテゴリーを軽やかに超えて、多彩なお菓子を生み出しているのが「山科わかさ屋」です。「和菓子の基本はお餅なので、どんなものにも合うんです。和菓子作りの技術は変わりませんが、お菓子は時代に合わせて変えていけばいい。おいしいと言ってもらえることが何よりもうれしいので」。二代目としてお店を切り盛りする杉原一繁さんは言います。

そんな「山科わかさ屋」を象徴する商品が「珈琲大福」です。生クリームを白あんで包み、さらにコーヒーを練り込んだお餅で包みます。こだわったのは一体感。口の中で噛むほどにコーヒーを飲んだような感覚になり、また食べ終わると、ふっとコーヒーの香りが鼻に抜けます。

「わらび餅にも練り込んでみました」。そう言って杉山さんが見せてくれたのが「珈琲わらび」。コーヒーが練り込まれたわらび餅なので、ゼリーとは全く違う弾力が感じられます。「私自身もコーヒーが大好きなので、コーヒーのよいところを出すように工夫しました。女性のお客様に人気ですよ」。

「伝統の技を使って、その時代に求められるおいしさを」という考え方は、先代から受け継がれたもの。先代考案の銘菓「山科」は、バニラ風味の白あんをバターを利かせた生地で包んで焼き上げた、洋の雰囲気も感じられる乳菓です。「地名をそのまま名前にしたことで、今も昔も手土産としてよく使ってもらっています」。和洋の枠にとらわれず、喜ばれるものを作ろうという心意気は親子2代にわたってきちんと受け継がれていました。

| スポット名 | 山科わかさ屋 山科本店 |
| 営業時間 | 9:00〜18:00 |
| 定休日 | 水・木曜 |
| 問い合わせ | 075-591-2069 |
| アクセス | 地下鉄東野駅下車 約10分 |
| 住所 | 京都市山科区東野中井ノ上町7-52【MAP】 |
| URL | https://www.yamashinawakasaya.com |
今回ご紹介した3軒の和菓子屋さんは、あるプロジェクトに参加しています。その名も「やましな道晴餅(どうはれもち)復活プロジェクト」。江戸時代、山科で旅人たちに愛された「道晴茶屋」の「道晴餅」を復活させようというものです。
「道晴餅」は江戸時代に刊行された『木曽路名所図会』に登場します。旅人だけでなく、子どもも頬張っており、また犬がそれを追いかけたりもしていることから、甘いタレのかかった焼き餅ではないかと考えられました。

「道晴餅」はすでになく、またレシピも残っていません。それぞれの和菓子屋さんの主人が知恵を出し合い、山科の郷土史家のアドバイスを参考に、西京味噌や米粉といった当時の京都にあった素材で「現代版 道晴餅」を考案しました。

現在、「道晴餅」は、「萬屋琳窕本店」と「山科 わかさ屋」で販売されています。「萬屋琳窕本店」の「道晴餅」は、大きめに伸ばした米粉の焼き餅に白味噌と黒糖で作った甘辛いタレを絡めていただきます。店頭で焼かれているので、当時の旅人気分も味わえますね。

「山科 わかさ屋」の「道晴餅」は、お餅のつぶ感が特徴的。「当時は石臼か何かで粉を挽いていたと思うのですが、今のように均一にはできなかったはず」。「山科 わかさ屋」では、餅をつくる際に、わざとご飯を入れてつぶ感を演出しています。タレは西京味噌と赤味噌。素朴な味わいが楽しめます。

「山科 わかさ屋」の「道晴餅」250円
いかがでしたか? 今回は山科エリアの和菓子屋さんを巡りました。店主の心意気が感じられる和菓子の数々。ぜひ、食べてみてくださいね。
supported by:とっておきの京都プロジェクト(京都市観光協会)
TOKK編集部
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