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25.12.26
野村
大阪を拠点に関西のあちこちに出没する取材ライター。おもに京阪神エリアで取材しています。

日本で2番目に小さい動物園「五月山動物園」(大阪府池田市)。国内では2園しかないウォンバットを飼育している動物園で、全国各地からウォンバットを一目見ようと多くの人が訪れています。
そんな同園には令和7(2025)年10月に、池田市の姉妹都市であるオーストラリア・ローンセストン市から、新たなウォンバット2頭がやってきました。
現在はリニューアル工事中のため、なかなか会うことができませんが、そもそもウォンバットとはどんな動物なのでしょうか。今回は五月山動物園の飼育員のみなさんに詳しいお話を伺いました。
そもそもウォンバットとは、どのような動物なのでしょうか。
ウォンバットは、オーストラリア南東部を中心に生息するオーストラリア固有種の動物。カンガルーと同じく、お腹に袋を持つ「有袋類」に分類されます。「ヒメウォンバット」「キタケバナウォンバット」「ミナミケバナウォンバット」の3種類に分類され、五月山動物園で飼育されているのは「ヒメウォンバット」です。
写真で見ると、コロンとして小さく見えますが、実は意外と大きめ。個体差はあるものの、体長は80cm、体重は15〜20kgほどになるといわれています(タスマニアウォンバット)。
現在、日本国内で飼育されているウォンバットは全部で6頭。そのうち5頭が、ここ五月山動物園で暮らしています。

五月山動物園に初めてウォンバットがやってきたのは平成2(1990)年。姉妹都市であるオーストラリア・ローンセストン市から、「ワイン」「ワンダー」「ティア」の3頭が来園したのが始まりです。
その後、平成4(1992)年には「ワイン」と「ワンダー」の間に赤ちゃん「サツキ」が誕生。国内初となるウォンバットの繁殖成功という、歴史的な出来事でした。翌年には「サクラ」も誕生し、サツキとサクラは五月山動物園の「人気姉妹」として親しまれました。
平成10(1998)年には、サツキとサクラの婿候補として熊本から「ワジー」が来園。しかしその後、平成15(2003)年に「ティア」、平成17(2005)年には「サクラ」が亡くなるなど、悲しい出来事もありました。
平成19(2007)年には再びローンセストン市から「フク」と「アヤハ」が来園。しかし平成22(2010)年に「アヤハ」、平成23(2011)年には「サツキ」が亡くなり、ウォンバットは「ワイン」「ワンダー」「フク」の3頭に。
平成27(2015)年にはフクのお嫁さんを探すプロジェクトを開始。 平成29(2017)年フクのお嫁さんとして「マル」、「コウ」「ユキ」の2頭も来園し、6頭となる。 その後「ワンダー」「マル」「コウ」が死に「ワイン」「フク」「ユキ」の3頭になる。
そして令和7(2025)年10月には「リク」と「ソラ」が新たに来園。現在、五月山動物園では5頭のウォンバットが暮らしています。

現在五月山動物園で暮らしているのは、最年長でギネス世界記録を持つ36歳の「ワイン」、「ユキ」(9歳)「フク」(21歳)、そして先日、インスタライブで公募されていた名前が発表されたばかりの「リク」「ソラ」の5頭です。
現在は五月山動物園がリニューアル工事中のため、ウォンバットの公開は限定的であまり会うことができませんが、毎日、穴を掘ったり、おいしいごはんを食べたり、お昼寝をしたりと、それぞれがのんびり元気に過ごしています。

草食動物であるウォンバットの食事は、青草やにんじん、さつまいも、りんご、かぼちゃなどが中心。アーモンドやラスク、固形飼料なども食べるそうです。
「一見すると同じように見えますが、実は見た目も性格も本当に個性豊かなんです」と話すのは飼育担当者。他の動物と比べても個体差が大きく、性格や餌の好みまで一頭一頭まったく違うのが、ウォンバットの魅力なのだとか。5頭それぞれ、好きな食べ物なども違うそうです。
例えば、「最年長のワインは大きな鼻とぱっちりとした目が特徴。人懐っこい性格で、よく寝てよく食べる超健康体です」と飼育担当者は話します。

一方で「フクは警戒心が強く、縄張り意識も強め。それでもフェンス越しに触れ合うと甘えてきたり、背中を掻いてほしそうに寄ってきたりします」と、ツンデレな一面もあるそうです。
またフクは、とある男性飼育員には強い信頼を寄せているようで、「完全に心を開いている様子がはっきり分かります。感情が全部表に出るので、見ている人にも伝わると思います」とのこと。飼育員との関係性にも注目です。

また、平べったく、むっくりとした体と頑丈な足、鋭い爪を持つウォンバットは、長い巣穴を掘る習性があります。特に穴掘りが上手なのは、白い手が特徴のユキと、11月に仲間入りしたリク。

「1m以上の深い穴を掘ることもあります。ユキは穴の中で過ごす時間も長いですね」と飼育担当者は話します。
そして、今年10月に来園したばかりのリクとソラ。「ソラは少し吊り目っぽい目が特徴で、若くて好奇心旺盛。いろいろなものをひっくり返すのが好きですね」と飼育担当者。ひっくり返した麻袋を枕にして眠る姿が、とてもキュートなのだそうです。


一方のリクは、おっとりしたタレ目が印象的。「マイペースですが活発で、穴掘りも得意。さつまいもが大好きな子です」。
5頭それぞれがまったく違う個性を持ち、型にハマらないところもウォンバットらしさ。ファンの間でも“箱推し”より“個体推し”の人が多いのだとか。「ウォンバット好きの方もみなさんは、それぞれの推しがはっきりとある方が多いようです。みなさん推しのウォンバットに会いに全国から駆けつけてくれます」。
現在は工事中でなかなか気軽に会えませんが、開園日にはぜひ、それぞれの表情や性格をじっくりと観察してみてください。
五月山公園の「案内所」にはショップ「SATSUKIYAMA ZOO SHOP」が併設されています。店内にはTシャツやぬいぐるみなど、ウォンバットのオリジナルグッズが並んでいます。


現在ショップに並ぶぬいぐるみたちも五月山動物園で暮らすウォンバットたちの特徴がしっかり表現されており、ファンにはたまりません。



かつては受注生産で、リアルな大きさと重さのウォンバットぬいぐるみが販売されていたこともあるのだそう。

さらに、ショップではウォンバットをモチーフにした、かわいらしい「ウォンバットソフト」(500円)も販売中。訪れた際には、ぜひチェックしてみてください。

現在、五月山動物園はリニューアル工事中のため、エリアを限定して開園中。リニューアル工事中はウォンバットの見学はできませんが、ウォンバットの様子はYouTubeチャンネルの「ウォンバットてれび」で見ることができます。
| スポット名 | 池田市立五月山動物園 |
| 営業時間と定休日 | リニューアル工事中のため、エリアを限定して開園中。詳細は下記公式HPやSNSにてご確認ください。 ※令和7(2025)年12月29日〜令和8(2026)年1月3日は休園 |
| 問い合わせ | 072-753-2813 |
| アクセス | 阪急池田駅下車 約15分 |
| 住所 | 大阪府池田市綾羽2-5-33【MAP】 |
| URL | https://www.satsukiyamazoo.com/ https://www.instagram.com/satsukiyama_dayzoo/ |
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