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誰もがきっと1つは持っている“なつかしの場所”。
沿線で愛される、1972年創業のお店の素敵なストーリーをご紹介。


阪急京都河原町駅から下車すぐという好立地に、50年続く洋食の名店「サンチョ」はある。オーナーの村松さんは「サンチョ」オープン以前、今はなき神戸のサラダの店「赤ひょうたん」で修業。その味を忠実に再現したサラダは、“ほかでは食べられないサンチョのサラダ”として受け継がれ、今なお愛されている。ほかにないおいしさの秘密は、野菜を丁寧にアク抜きし、ドレッシングなどで下味をつけ、さらにオリジナルマヨネーズをかけること。そのおかげで野菜の苦みが抜けて、最後までおいしく味わえるのだ。

このサラダで、サラダ嫌いを克服する人もいるのだそう。「ソースはもちろんドレッシングもマヨネーズもすべて手作り。ジュースだって生搾りで、とにかく手間もお金もかかるメニューばかり。でもそれがサンチョなんだよね」と困ったように笑う顔がすてきだ。
「サンチョ」は店名に「サラダの店」とつくが、メニューはサラダだけではない。とにかくメニュー数が多く、その数グリル30点、サラダ16点。同店は3カ月に1回創作メニューが登場し、注文数で定番メニュー入りするコンテストもある。そこから生まれたのが看板メニューの照り焼きステーキで、チキンカツをプラスした「照焼ミックスとサラダ」は、創業当時から人気のメニューだ。

やわらかな牛のカイノミをオリジナルの照り焼きソースで味付けしたステーキと、シソ風味のチキンカツ、それに自慢のサラダがついているボリューミーなセット。照り焼きソースには、白みそを隠し味に使ってまろやかな味わいに仕上げていて、この味に魅了されるファンも多い。創作メニューから定番化したメニューは全体の8割にもなるとか。「こういったことが従業員のやる気にもつながるんです。うちはただでさえ大変なメニューが多い、だから真面目で料理好きな人ばかりなんですよ」。
「サンチョ」という店名は、村松さんが好きな映画に出ていた牛の名前から。「飼い主と牛のサンチョの相思相愛感がよくて。お客様とそういう関係になれたら」という願いが込められている。

行列の絶えない同店だが、ずっと順風満帆ではなかった。「1日にお客様が5人の時も。本当に厳しかった時、お店がつぶれるなら、最後は従業員みんなに喜んでもらおうと売り上げの利益を還元することにしたんです。みんなで頑張ろうと発破をかける意味もあって」。その結果、店全体に丁寧な接客、よりおいしいものを提供したいという意識が強くなり、今に至るという。

一度勤めると長く働く人も多いという同店。当初は、お客様と店が親愛関係になれたらとつけた店名は、いつのまにかお店で働く人たちの関係にも反映されていた。おいしい料理だけでなく、居心地の良さと店員同士の朗らかな雰囲気が店へと通ってしまう理由なのだ。
サラダの店とうたうだけあって、量が多いのが特長。一番人気の「カニサラダ(単品)」は、7種の野菜を山高に盛り付け、スライス玉ねぎにオリジナル醤油レモンソースや酢を和える。そこに山陰で獲れた紅ズワイ蟹を馴染ませたものをのせる。このひと手間が唯一無二のおいしさを生み出す。店で手作りされている「ドレッシング」は購入することも可。ゆで卵のとろみがポイントで、無添加のため賞味期限は5日間。

| スポット名 | サラダの店 サンチョ河原町本店 |
| 時間 | 11:30~15:30、17:00~22:00(LO21:00) |
| 定休日 | 水曜・月1回不定休 (15:30~17:00は基本的にクローズしています) |
| 問い合わせ | 075-211-0459 |
| アクセス | 阪急京都河原町駅下車すぐ |
| 場所 | 京都市中京区中之町572【MAP】 |
| URL | https://sancho.co.jp/ |
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2025.11.19 - 2025.11.25