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25.12.12
関根 デッカオ
昭和64年(1989)、和歌山市生まれ。取材執筆業。ナレーター。散歩愛好家。よそのロン毛が怖いロン毛。

大阪府箕面市(みのおし)にある勝尾寺(かつおうじ)。その名が示す通り勝ち運の寺として広く知られ、国内外を問わず多くの参拝客を集めています。奉納棚に勝ちダルマと呼ばれるダルマが所狭しと数多く並ぶ様子を写真で見た人も少なくないかもしれません。
かたや同じく箕面市を代表する観光スポットとして根強い人気を誇るのが箕面大滝です。明治の森箕面国定公園にある名瀑(めいばく)は日本の滝100選にも名を連ねており、その荘厳な姿を一目見ようと春夏秋冬にかかわらず、たくさんの人が足を運んでいます。
どちらも同じ箕面の里山に位置する観光名所ですが、両者を結ぶ公共交通機関はありません。そこで、今回は徒歩で勝尾寺から箕面大滝まで歩いてみることに。訪問にあたりチェックすべきポイントをご紹介します。
勝尾寺へのアクセスは、北大阪急行「箕面萱野駅」から30分おき(※平日)に出ている阪急バスを利用するのがおすすめ。途中の停留所には停車しない直行バスなので、ストレスフリーで勝尾寺に到着することができます。

12:30の便に乗車して所要時間およそ20分で、奈良時代に創建された勝ち運の寺に到着しました。
参拝入口で入山料を納め、いざ境内へ。朱色が目を引く美しい山門をくぐります。

弁財天社がせり出す弁天池が美しいのもさることながら、手前に視線を移してみると……。勝尾寺を象徴するダルマみくじがちょこんと並べられていました。本堂前のお授け所で引くことができるこのダルマみくじ。ご覧の通り、境内の至るところで目にすることができます。


数多くの参拝者がいるからこそ、奉納されるロケーションもさまざま。思い思いの場所に置かれたダルマみくじを撮影しようと、カメラやスマホのレンズを向ける人の姿がそこここに見受けられました。


取材に訪れた日は、まだ紅葉も残っていました。ダルマの朱色とリンクするように、境内には鮮烈な赤が広がっていました。

参拝順路に従い、撮影もしながら歩くこと約20分。本堂に到着です。人生におけるあらゆる勝ち運を願う寺。今後の人生に「勝ち」が舞い込むよう、しっかり手を合わせておきました。


向かいに位置するお授け所では、ダルマみくじやより大きな勝ちダルマを求める人が多数。人生の目的と365日後に成し遂げたい目標を書き込む勝尾寺の勝ちダルマは、願いをかなえてくれる存在ではなく、願いに向けて努力を重ねることを誓う「誓約書」だといいます。

ちなみにお授け所でダルマや御守りをお授けいただくと、こんなかわいいバッグに授与品を入れてもらえます。

本堂付近からは箕面の里山の向こうに大阪の街並みを見渡せるスポットも。どこを切り取ってもダルマが存在感を放つのが、いかにも勝尾寺といった印象です。


起伏に満ちた境内を歩き、多宝塔から弁天池まで下りてきました。

池のほとりでは、ハート型に並べられたダルマみくじを発見。少しラッキーな気持ちにさせられました。

平日の日中から老若男女、国籍を問わずたくさんの人でにぎわっていた勝尾寺。都心からのアクセスも良好なので、勝ち運をつかみに足を運んでみてはいかがでしょうか。

| スポット名 | 勝尾寺 |
| 料金 | 大人500円、小中生400円、未就学児100円、2歳以下無料 |
| 時間 | 8:00~17:00(土曜は~18:00、入山受付は閉門の30分前まで) |
| 問い合わせ | 072-721-7010 |
| アクセス | 北大阪急行・箕面萱野駅→阪急バス・勝尾寺停下車すぐ |
| 住所 | 大阪府箕面市粟生間谷2914ー1【MAP】 |
| URL | https://katsuo-ji-temple.or.jp/ |
さて、1時間ほど勝尾寺を満喫したあとは、いよいよ箕面大滝まで歩きます。まずは参拝入口を背にして右手に向かいましょう。しばらくすると、阪急バスの停留所が見えてきます。

箕面萱野駅に向かう人たちにも別れを告げて、西に針路を取ります。

勝尾寺を出てしばらくはこのようにカラーコーンが並んでいますが……。

5分も歩けばその数もまばらに。二大観光名所を訪れるタクシーをはじめ、箕面ドライブウェイの交通量は決して少なくないので散策には注意が必要です。


とはいえ、この日は雑木林と杉木立からなる一帯に西日が差し込み、心地よく歩き進むことができました。

15分ほど道なりに進むと、こんな道路標識と交差点が見えてきます。迷わず箕面駅方面に直進しましょう。


標高の低い里山とはいえ、落石への注意は必須。冬季は路面が凍結することもあるので、徒歩での行き来は控える方が無難かもしれません。

道中にはこんなコミカルなキャラクターも。背中を押されるようにして、さらに歩みを進めます。

約30分歩くと、明治の森箕面国定公園の中核施設である箕面ビジターセンターの前に「勝尾寺まで約2キロ」の道標を発見。このあたりから道路に並走する形で、右側から箕面川が合流してきます。ここから先は、ひたすら川沿いを歩くと思っておくとよいでしょう。


澄んだ川面に紅葉が反射する光景。この流れが、のちに箕面大滝として滝壺に注ぎ込まれます。春から夏にかけては緑がまぶしいハイキングができそうです。

橋を2つ渡って……。


大きなカーブを通り越せば、ガードレールつきの歩道がきちんと整備された長い一本道にたどり着きます。


さらに進むと、マイカー利用者向けの大滝上駐車場が。勝尾寺からは3キロ弱。ここまで来れば、箕面大滝まではあと少しです!


しばし歩いてトンネルを抜ければ、そこはもう歩行者専用の遊歩道。せせらぎの音を頼りに、はやる気持ちを抑えて進みます。


すると、こんなに見事な紅葉が広がっていました。勝尾寺からは少し標高が下がった地点なので、まだまだ見頃は続いているようでした。

ジグザグの道を下っていると、休憩所の脇にこんな案内が。本来、ここからは滝に向けて階段のルートが延びていましたが、令和7(2025)年11月に発生した店舗火災の影響で通行止めになっています(2025年12月現在)。訪れる際は気をつけましょう。


先ほどの休憩所から5分ほどで、箕面川にかかる朱色の橋を渡ります。箕面大滝まではあと少し。


滝が近づくにつれ、足元がぬかるんでいるところもあります。履き慣れた靴で訪ねるのがおすすめです。

記念撮影の人が絶えない滝見橋まで来ると、いよいよ奥に滝の姿が見えてきました。

落差33メートル、幅5メートル、年間約200万人もの観光客を集める箕面大滝に到着です。勝尾寺を出たのが14時前、到着したのが15時過ぎ。ゆっくり歩いて1時間強の道のりでした。
それにしても紅葉に彩られた滝の様子は圧巻の一言。誰もがその美観に息を呑んでいるようでした。なお、火災の影響で滝前エリアへの入場は16:00までに制限されているので、訪問の際には注意してください(詳細は下記URL参照)。

| スポット名 | 箕面大滝 |
| 問い合わせ | 072-723-1885(箕面交通・観光案内所) |
| アクセス | 阪急箕面駅下車 約43分 |
| 住所 | 大阪府箕面市箕面2-2【MAP】 |
| URL | https://www.mino-park.jp/ |
しばし滝の威容に見惚れて帰路へ。阪急箕面駅まではきちんと整備された滝道が約2.8キロ続きます。滝道には唐人戻岩をはじめとする奇岩、箕面公園昆虫館などもあるので、時間の許す限り楽しむとよいでしょう。

30分ほど歩いて箕面駅に到着しました。勝尾寺から箕面大滝までの距離も計算に入れると、合計6.3キロほど歩いたことになります。

ルート全体を通して見ればゆるやかな下り坂が続きますが、勝尾寺の境内もアップダウンがあるので、やはり歩きやすい靴で無理なく――というのがおすすめ。
特にルートの前半は自動車の往来に注意が必要だと感じました。とはいえ、身近な里山の自然と文化に触れられるのは大きな魅力。これを機に、自分の足で箕面を歩いてみるのはいかがでしょうか。
ライター
関根 デッカオ
小学生にして、友人とのリレー小説『バキューム物語』で文章を書くことの悦楽に開眼。大学では365日連続で1000文字以上のブログを更新するという謎のノルマを自らに課し、ひっそりと完遂させて悦に入る。一般的な就職活動を放棄すると、カメラアシスタントからここには書けないものまでアルバイトを転々としたのち、2016年に編集プロダクションにてライター業を開始。