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25.12.09
関戸 直広
1995年生まれ。埼玉県さいたま市出身、さいたま育ち。

明智光秀の娘・玉(たま)の、細川忠興(ほそかわ ただおき)へのお輿入れを再現したお祭り「長岡京ガラシャ祭」。毎年秋に開催され、長岡京の街全体が盛り上がるお祭りに参加してきました。
多くの古墳や城跡、神社仏閣が所在し、日本の歴史を語るうえでも欠かせない文化財が集まる京都府長岡京市。毎年11月に街がひときわ賑やかになる1日が「長岡京ガラシャ祭」です。
“ガラシャ”とは、キリスト教徒であった玉の洗礼名。玉は輿入れした9年後の天正15(1587)年に受洗したといわれています。

祭りのきっかけになったのは、平成4(1992)年に完成した勝竜寺城公園。長岡京市の文化財である勝龍寺城跡を整備し、市民が憩える場所として整えられたことからはじまりました。

「この城にゆかりの深い細川ガラシャのお輿入れ行列を再現してはどうか」という市民の声が上がり、かつて、織田信長のすすめにより、細川忠興へ嫁ぐために玉が勝龍寺城に入った————その歴史的な場面を市民参加型で現代に蘇らせました。
以来、30年以上にわたり、市内外の多くの人に親しまれ、秋の長岡京を象徴する祭りとして定着しています。

祭りが開催される1週間前からは「ガラシャウィーク」として、コンサートや展示、手作り市などさまざまなイベントが開催され、市内が長岡京ガラシャ祭の雰囲気で賑わいます。

今年は市民の憩いの場である「バンビオ」が開設20周年ということもあり、地元出身のロックバンド・ローカルコネクトによる記念ライブや、バンビオの発展に貢献した個人・団体への感謝状を贈呈するセレモニー、街歩きイベントも行われました。
また、今年は「JR長岡京駅東口広場」を活用し、地元企業による体験型ブースや、「きのこの山・たけのこの里」の人気投票など、参加型イベントも開催されました。

長岡京ガラシャ祭の最大の見どころは、街を舞台に展開される行列巡行。
玉(ガラシャ)、細川忠興、侍女、家臣 など、総勢数百名が当時を再現した衣装をまとい、長岡京の街を練り歩きます。その光景は時代絵巻さながら! 沿道からは大きな歓声が上がります。

しかし、令和7(2025)年のお祭り当日の天候は雨。普段であれば行列巡行を見届けようと沿道に人が集まりますが、残念ながら雨脚は弱まらず、行列巡行は中止に。それでも各会場に駆けつけた数はおよそ10,000人! 祭りを楽しもうという思いが伝わってくるほど、温かい空気が漂っていました。

中央広場会場は「楽市楽座」として、キッチンカーや屋台などたくさんのお店が並び、採れたての野菜の直売や、長岡京に工場を構えるビール会社のサントリーなども出店していました。また、ダンスやライブが楽しめるステージイベントもあり、とても賑やかな雰囲気です。

毎年、勝龍寺城跡で行われる「婚礼の儀」は、中央広場会場にて執り行われました。婚礼の儀とは、玉と勝竜寺の城主である細川忠興が結婚をする様子を再現したもので、長岡京ガラシャ祭のフィナーレとして、毎年一番の盛り上がりを見せるステージ。玉役と忠興役は、毎年 一般公募で選ばれるそうです。
今年の玉役は吉田萌子さん、細川忠興役は吉田慎二朗さん 。生まれも育ちも長岡京市で、実際に新婚というおふたりは、12組の応募の中から当選されたそう。

美しい白無垢姿でステージに登場し、頭から被っていた衣被(かつぎ) を外すと、故郷から持参したお守りを忠興に渡す玉。お酒を酌み交わし、夫婦の契りが結ばれます。
「大勢の方が手伝ってくれて、生まれて初めて白無垢を着ることができて、感謝の気持ちでいっぱいです」とコメントした萌子さん。最後は会場にいるお客さんにビールが配られ、全員で乾杯。おふたりの晴れ姿に大勢の観客が祝福していました。

そして、残念ながら雨天中止となってしまった「行列巡行」。令和7(2025)年は広場のすぐ隣にある長岡中学校の体育館を使って、関係者のみの行列紹介が実施されました。

長岡天満宮に祭られている菅原道真(すがわらのみちざね)や、随筆の『枕草子』で有名な清少納言など、長岡京ゆかりの歴史上の人物に市民が扮した「歴史文化行列」、豪華な衣装に身をつつんだ玉・忠興を主役とした「お輿入れ行列」、地域の神輿会や、学生による吹奏楽やマーチングなど、さまざまなパフォーマンスで玉と忠興をお祝いする「町衆祝い行列」と、総勢700人以上の参加者が次々と登場。
細部まで作り込まれた衣装や、メイクのクオリティや、パフォーマンスの熱気がすごい!


行列の紹介を観た後は、本来婚礼の儀が行われる場所の勝竜寺公園にも行ってみました。

お城近くの通りにもフードトラックや屋台が出店していました。街全体がお祭りのエリアとして、雨のなかでもどこか心地よい賑わいが続いていました。

悪天候のなかでも祭りを成立させる姿が印象的だった今年の長岡京ガラシャ祭。今回が初めての参加となった筆者ですが、歴史を守りながら日常の楽しさとして地域に広がっていく祭りのあり方を、改めて感じられる一日になりました。
また、ダンスやライブなど、市民参加型のステージもあり見所がたくさん。小さな子どもを連れた家族やカップルからご年配の方まで、幅広い世代の方々が足を運んでいたのも印象的でした。
今回は残念でしたが、時代衣装を身につけて街の中を練り歩く行列の姿が見れたらうれしいですね。来年こそは晴れますように!
ライター
2026.1.4 - 2026.1.10