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吹田 TOKK
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25.11.25
A子
愛知県出身京都在住。京都が好きで移り住んで約20年。制作プロダクションでの編集を経て、ライターとして独立。

令和7(2025)年の大阪・関西万博開催で大いに盛り上がった大阪。その裏で今、昭和45(1970)年に日本で初めて万博が開催された地である万博記念公園も注目を集めています。
万博記念公園には太陽の塔を筆頭とした万博遺産や四季の美を織りなす日本庭園などさまざまなスポットがありますが、甲子園球場約65面分という広さの園内には知られざる魅力もたくさん。そこでweb TOKKでは公園をぐるりと歩いてその魅力を味わい尽くし、3回にわたってご紹介します!
第2回目の今回は自然の森体験編。万博記念公園マネジメント・パートナーズの広報担当の方に案内してもらい、万博記念公園を楽しむコツを教えていただきました。
今回最初にやって来たのは、自然文化園にある「ソラード(森の空中観察路)」。

「ソラードでは地上を歩いているだけではわからない森の姿や生態を、存分に楽しむことができます」と広報の方。
延長約300mの観察路には吊り橋や展望タワー、植物・生き物の観察ツールなどさまざまな仕掛けがあるそう。森を探検するワクワクした気分で出発です!
最初の木登りタワーを登ると、景色が一転。緑に包まれ、空気も清らかに感じられます。

観察路のところどころに、植物やここに生息している鳥、昆虫などについて書かれた解説版が置かれています。双眼鏡を持ってきたらより楽しめそう。

「森の集音器」と呼ばれる下写真は、近くの音が拡大して聞こえるというもの。
ベンチに座り耳を澄ますと、森の音がクリアに聞こえました。鳥のさえずりや虫の鳴き声、風に吹かれ葉がそよぐ音……心地良い森の音色に引き込まれます。

続いて下写真は「色のトンネル」。3色に展開していくスクリーンは単なる装飾ではありません。オレンジクリアーのスクリーンを通して植物の葉を観察すると、種類や光の当たり方による色の濃度の違いがよくわかり、緑色の多様さを感じられます。
ケイコーオレンジのスクリーンでは昆虫、スモークグレーのスクリーンでは単眼であるクモがそれぞれ見えている世界の色を疑似体験できます。
スクリーンから光が差し込むと美しく、密かに写真スポットとしても人気なのだとか。

揺れるのがスリリングな吊り橋も通り、ゴールである高さ19mの展望タワーに到着!


デッキからは万博記念公園だけでなく大阪の景色も一望できます。
大阪万博閉幕後に造成された森が50年余の歳月でここまで豊かに成長するんだなぁと、生命の力強さにもなんだか胸を打たれました。

次に訪れたのは、自然文化園の西奥にある「花の丘」です。
たくさんの人がここに向かっているなと思ったら、この景色です!

10月中旬のこの日はコスモス・コキアフェスタが開催中で快晴の空の下、約15万本のコスモス、約3,600株のコキアが見頃を迎えていました。
真っ赤に染まったコキアは丸々とした形がかわいらしく、目を引きます。カメラやスマホを手にした人たちがこぞって撮影していました。

可憐なコスモスもこれだけの数があると圧巻! 定番の紫やピンク、白色のほか、珍しい黄色のコスモスも見られました。


紫色の穂が幻想的なミューレンベルギアもきれいです。

色とりどりの植物を見下ろせる丘の上のベンチでくつろぐおばあちゃんたち、花の近くでシートを広げてお弁当を食べている子ども連れの家族など、花の丘にはたくさんの笑顔も咲いていました。
「10月下旬〜12月上旬頃には園内の随所でモミジやカエデ、イチョウ、メタセコイア、プラタナスなど約20種類、1万本もの木々が赤や黄色、オレンジに染まる様子を楽しめますよ」と広報の方。
公園の西エリアには紅葉渓やもみじの滝、西大路のプラタナスの並木など見どころが多数。秋晴れの気持ちのいい日に訪れてみたいものです。


「万博記念公園の広大な森の魅力や自然のおもしろさをより知っていただくには、『自然観察学習館 moricara』がおすすめです」と広報の方に聞き、「自然観察学習館 moricara」にやって来ました。

令和2(2020)年にリニューアルし円柱と大型の水槽が導入された館内は、生き物や植物の展示が充実。
実際に園内に生息している魚や昆虫、採集された木の実や種、葉などが並んでいました。展示の内容は季節に合わせて替わっていくそうです。実際に触れられる展示もあって、子どもたちが興味津々で手を伸ばしていました。


手作りのマップで、現在の森の様子がよくわかります。このほかにも野鳥観察マップやケモノマップなどが貼られ、生き物の詳しい説明が書かれていました。

「自然観察学習館 moricara」では随時ワークショップなどのイベントを開催しており、子どもたちに人気なのだそう。
イベントは森の自由工作や昆虫観察会、星座観察会といった定期的に行われるものから、クリスマスリース作りといった季節限定のものまでさまざま。生態系に影響を与える外来種・アメリカザリガニを捕まえるザリガニハンターといったおもしろい企画も!

学習館の外に出ても、自然文化園のなかには植物の名前を当てるチャレンジラリー、クイズのパネルなど、学びの要素がたっぷり。子どもたちと一緒に家族みんなで楽しめそうです。


ここでは自然を生かしたアスレチックでたっぷり遊ぶも良し、絵のような美しい景色をボーッと眺めているだけも良し。一日あっても味わい尽くせない自然文化園の豊かな自然に魅了されました。


また自然観察学習館 moricaraでは双眼鏡のレンタルを行っているそう。今度ソラードを歩く時は、双眼鏡をお供にしようと思います。森の生物の暮らしをのぞき見するようなワクワク感を味わえそうで楽しみです! ※双眼鏡レンタル(受付:10:00〜15:00/無料)
園内で最後に訪れたのが「日本庭園」。大阪万博で政府出展施設として日本の造園技術の粋を集めて造られ、令和6(2024)年に国登録記念物(名勝地関係)として文化財登録された「日本庭園」は、大トリにふさわしい風格が漂っています。
「西から東に向かって流れるせせらぎに沿って、上代から中世、近世、現代へと4つの造園様式を取り入れています」と広報の方。
庭園の歩き方は自由ですが、歴史に沿って歩いてみることにしました。わび・さびの世界が表現された庭園は、禅宗寺院のような静謐な空気が満ちています。


「日本庭園」が造成される以前はこの辺には大規模な竹林が広がっていたそうで、「竹林の小径」は郷土の風景を再現しているのだとか。手入れされた静かな竹林のなかで、ししおどしの音が雰囲気を高めます。


そしてこの庭園で最も規模が大きく、象徴的な場所といえるのが近世地区の「心字池」。築山を背景に「心字池」を鑑賞できる中央休憩所は絶好のビューポイントです!


最も東に位置する現代地区の「旋律の鯉池」は、日本庭園の伝統を受け継ぎながらも新たな創作を試みた現代庭園。直線に切り取られた切石がオブジェのように並び、モダンな雰囲気です。
一つの場所でさまざまな趣の庭園を味わう贅沢な時間を過ごしました。


「旋律の鯉池」の向かいには大きなはす池があり、その奥には花しょうぶ田が広がっていました。
ハスとショウブの見頃は初夏〜夏。日本庭園では春には桜やフジ、ツツジ、秋には紅葉、冬にはツバキやサザンカなど、一年を通して多彩な植物が色を添え、私たちを楽しませてくれます。
第1回の万博レガシーとグルメ編に続き、今回もかなりの距離を歩きヘトヘトです……。
前回はそんな体をおいしい食べ物で癒やしましたが、今回はなんと温泉に行きます!
万博記念公園の西口を出た先にある「源気温泉 万博おゆば」は、地元民に親しまれているスポットなのだそう。

地下700mから汲み上げた天然温泉は、茶色くて鉄分が豊富な上質な湯。さまざまな深さがあり寝湯や半身浴もできる露天風呂は、関西屈指の広さなのだとか。内湯も大きく、ゆったりと入れます。

温泉のほかに岩盤浴(別途料金要)やサウナも備えられており、しっかり汗をかいてリフレッシュできます。

また館内にはお食事処やおゆばマルシェなどもあります。おゆばマルシェでは新鮮な野菜や地域の物産品などを販売していました。
| スポット名 | 源気温泉 万博おゆば |
| 時間 | 10:00~翌1:00(受付〜24:00) |
| 定休日 | 無休 |
| 入浴料 | 平日900円/土・日曜、祝日1,000円 |
| 問い合わせ | 0570-022-600 |
| 住所 | 大阪府吹田市千里万博公園11-11【MAP】 |
| アクセス | 大阪モノレール万博記念公園駅下車 約15分 |
| URL | http://oyuba.com/banpaku |
こんな場所で温泉に入れるなんて驚きですが、万博記念公園はなんでもあるんだなぁと実感。もう一歩も歩けない……と思うほど疲れていたのに温泉ですっかり回復したので、再び入園して公園の中を通って帰ります。
入園券は当日であれば何度も再入園できるのでうれしいです。
今回もしっかり身をもって体験しましたが、万博記念公園は本当に広い!
でもご紹介した自然文化園エリアには「森のトレイン」が運行しており、パークタクシーの運行(有料)もあるので、そちらを利用しながら無理なく回ってみるのもおすすめです。

広大な自然文化園はまだまだ発掘できる魅力がたくさんありそうでした。ぜひ訪れて、その魅力を肌で感じてください。今回は下記MAPの上半分と左下をご紹介しました。
ラストとなる次回は「EXPOCITY編」。下記MAPの南に広がるエリアをご紹介します。お楽しみに!

| スポット名 | 万博記念公園 |
| 時間 | 9:30~17:00(入園は~16:30) |
| 休園日 | 水曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始 ※4月1日~5月2日、10・11月は無休 |
| 入園料 | 260円(自然文化園・日本庭園共通) |
| 問い合わせ | 06-6877-7387 |
| 住所 | 大阪府吹田市千里万博公園【MAP】 |
| アクセス | 大阪モノレール万博記念公園駅下車 約5分 |
| URL | https://www.expo70-park.jp |
【関連情報】
斬新な万博アートに温泉、空中散歩も満喫!万博記念公園をぐるりと歩いてみました~第1回 万博レガシーとグルメ編~
ライター
A子
お酒が好きで京都や旅先の酒場巡りがライフワークなので、子育てが落ち着いたら以前のペースを取り戻したい。 20代前半に鹿児島で芋焼酎のお湯割りに出合ってお酒のおいしさに開眼し、焼酎を皮切りに日本酒やワイン、ビールなどあらゆるお酒とアテを楽しんできました。
2025.11.19 - 2025.11.25