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阪急清荒神駅から、火の神様・台所の神様として知られる清荒神清澄寺へ続く参道の途中にあるのがcoffee stand Wily(コーヒースタンドウィリー)。
清荒神参道は清荒神駅から清荒神清澄寺までの約1km、ゆるやかな坂道を登っていく両側に、飲食店や土産物店が軒を並べ、昔ながらの門前町の風情が残るところ。

参道に入ってすぐにある緑色の鳥居をくぐり、しばらく進むと白い壁と大きな窓のスペシャリティコーヒーのお店coffee stand Wilyに到着。

coffee stand Wilyには、コーヒー専門店で必ず見かける焙煎機がない。焙煎を担当する店長の華山さんは、すべての豆を手網を使って焙煎しているという。
一定の量を、コンスタントに提供していこうとすると、やはり一度にたくさん焙煎できる焙煎機のほうが安定し、便利ではあるが、手網を使って1回に200~300gずつ、一度の焙煎で1㎏弱を煎っている。

生豆を入れた手網を最大限にしたコンロの火にかざして、手網と火との距離をはかりながら、焙煎の具合を調整するのだそう。
ポップコーンを作る要領で、火と網の距離を見守りながら、自分の手で焙煎し続けること数時間。これが営業日の朝の華山さんのルーティン。
豆によってふくらみ方も違い、火に対する反応が違うことも手に取るようにわかる点が手網の魅力だという。

焙煎しながら、耳はじっと音を聞き、鼻は手網からのぼってくる香りに研ぎすまされる。そうしてできた豆はやわらかく、ふくよかな味わいになるのだそう。
coffee stand Wilyに並ぶのは、浅煎りから中煎りを中心にした6~8種の豆。作り置きはしない、いつもフレッシュなものを店で楽しんだり、テイクアウトができる。

取材の日に店で提供されていたのはブラジル、グアテマラ、エチオピア、タンザニア、ベトナム、そしてカフェインレスのコロンビア。
ベトナムが産地の豆は、他の産地のものと比べると豆の大きさが小ぶりだが、取引している農園主のチャレンジ性が気に入って扱いをはじめた。
豆自体が持つナッツやハーブの香りと、華やかな味わいが特にお気に入りだそう。

華山さんはもともと、コーヒーが飲めなかったのだそう。リフォーム事業を経営するオーナーの発案で新業態として始まったcoffee stand Wilyに関わることになったのを機に、さまざまなコーヒーを試すように。
そんななかで、浅煎りのスペシャリティコーヒーを飲んだ時に、これまでにない感覚、体がスッとコーヒーを受け入れてくれた感じがしたそう。
おいしいコーヒーを届けたいという思いはもちろんのこと、華山さんがコーヒーを克服できた体験も、コーヒーを楽しめないと思っている人に分かち合いたい。と華山さんは願っている。

coffee stand Wilyでは、コーヒーで作るスイーツも人気のメニューだ。
ちょっと立ち寄って、イートインするのにはバスクチーズケーキやジェラートがぴったり。
取材の日にいただいたのは、アフォガードラテ。アイスにエスプレッソを少しずつかけて、最後までコーヒーの味わいをじっくり楽しみたい。

coffee stand Wilyでは、コーヒー豆を買いにくることが多いのは男性、女性が一緒にきてもほとんどは、ジェラートやアフォガードなど、スイーツをいただいて帰られることが多いそう。
コーヒー豆が目当ての男性はスイーツを、女性の方も華山さんの焙煎したコーヒー豆をご自宅で、ぜひぜひ楽しんでみてほしい。
古い一軒家を改装したという店内は、すっきりした印象ながら、参道のゆったりとした空気感にもなじむインテリア。店の中をぼんやりと照らすオレンジ色の電球と、参道から差し込む日の光がまじりあう空間がとても心地よい。

現在、清荒神の参道にはほぼ毎月1軒のペースで新しいお店ができていると華山さんは言う。
自身も宝塚市で育った。ずっと親しんできた参道に空き店舗が目立ち始めてきたのを見て、このままでは大切な場所がなくなってしまうかも…。何とかしたい!と、学生時代の同級生たちとスペシャリティコーヒーの店をオープンした。

華山さんは清荒神の参道を、「仲間と一緒に頑張ろう!ができる場所」と考えている。自分のフォームグランドとなる場所を地元に得て、清荒神や参道の文化を受け継ぎ守る。
昔ながらのおみやげも、スペシャリティコーヒーも、そして次々とオープンする新店と、新旧入り混じって元気になる清荒神参道へ皆さまもぜひお出かけを!

最後に案内されたのは、2階のスペース。オーナーが趣味で集めたというホーローの看板などの日本のアンティーク商品(もちろん購入可能)、そして華山さんが今、コーヒーとともに力を入れているという古着、古着を使ったリメイク商品を販売している。
仕入れた古着は一つ、一つ、その商品がどのようにして自分のところにたどり着いたか、描かれているデザインについて、その意味、すべてをきちんと答えられるようにしている。そして華山さんがデザインから縫製まですべて行うリメイク商品も販売している。

思い出の種、小さな記念物などを意味するMEMENTO.(メメントドット)と名付けられたアクセサリーブランドも店舗内では販売されている。こちらは華山さんがディレクターを務めるブランド。
coffee stand Wilyを始める前はデザイナーの仕事をされていたという華山さんのセンスが光る品々を、おいしいコーヒーとともに楽しんで。

さらに、最近、コーヒーに興味を持ったという方のためには華山さんが主宰する「珈琲研究部」もおすすめ。
ふと、珈琲の遊び仲間がほしいなあと、ゆるーく始まったこの研究部は定期的に開催されている。気になる方はお店のスタッフの方までお声がけを。
自らの手で豆を煎り、古着一つ、一つのエピソードとともにリメイク商品を販売する華山さん。お話を聞いていると、どこから来て、それが何なのかという商品の裏側をとても大切にされ、それを購入者にも知ってほしいという思いをとても感じました。
大事に育てられ、作られたものを買える喜びはもちろん購入者も同じ。これもまたcoffee stand Wilyさんの魅力の一つだと思います。
| スポット名 | coffee stand Wily(コーヒースタンドウィリー) |
| 時間 | 11:00-17:00 |
| 定休日 | 水曜と第4木曜(不定休あり/大雨の日は休み) |
| 問い合わせ | 070-1835-8227 |
| アクセス | 阪急清荒神駅から約5分 |
| 住所 | 宝塚市清荒神3‐2‐13【MAP】 |
| URL | https://coffeestandwily.stores.jp/ |
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