宝塚 TOKK
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宝塚 TOKK
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26.03.10
中島 美加
生まれも育ちも甲子園。書くことが大好きで、大学4回生からライター業をスタート。

ジッパーのついた透明の袋に赤いストロー。黄色いカットレモンとのコントラストはとても写真映えします。これは中山にある「田嶋商店」の自家製レモネード600円。ファン層は幅広くて「TAKARAZUKA LOCAL MARKET」に出店した時もすぐにソルドアウト。
ドリンクとしておいしいだけでなく「蜂蜜漬けのレモンもそのまま食べられます」と教えてくれたのは店長の千代さん。しかも果肉だけでなく皮も安心して完食できます。なにしろこのレモンは広島の瀬戸内海沿い、瀬戸田にある千代さんの母親・洋子さんの実家の畑で育った、正真正銘の瀬戸田レモンなのです。今は千代さんのお姉さん・さゆりさんが移住し、実家は改装して誰もが自由に過ごせる「海辺の小さな図書室」に。畑には柑橘系の木々がたくさんあり、その実を販売しているのです。

瀬戸田レモンはやっぱり違う!と気に入った飲食店からの発注も多く、一度に100キロほど注文を受けることがあるとか。そうそうレモネードに使う蜂蜜はしまなみ海道の大三島産。柑橘の花がメインの蜂蜜だから、相性抜群なわけです。レモン以外にも、しまなみ界隈の柑橘がいっぱい並びます。ご縁があるだけに幼馴染や親せきのところから確実に美味しいものが入るのです。

野菜はできるだけ地産地消、地元のものを集めたいと思っているそうで、西宮の卸売り市場から仕入れる以外に、宝塚の西谷地区の野菜も結構扱っています。朝採れのほうれん草が人気だそうですが、取材時にはもうありませんでした。自然薯や菊芋など、普通のスーパーでは出合えない魅力的な野菜が気になりますし、その野菜がのっている年代ものの大皿も気になりました。

大正元年に八百屋をはじめ、千代さんのお父さんの代では野菜も並べるコンビニも営むようになりました。ところが阪神淡路大震災でもともと八百屋メインでしていたお店は全壊。当時、千代さんはまだ子どもでした。野菜を並べるコンビニをしながら、お父さんは小学校の給食用野菜を届けたり、界隈にあった保養所などに届ける仕出し屋をしていたそうで、その時の名残のお皿だとか。古いお皿や籠などが残った野菜を、より魅力的に見せます。きっと初代の頃から愛用されていたであろう古い天秤計りが店の棚に鎮座して四代目の千代さんを見守ってくれていました。

今の場所で八百屋メインに再起動したのはコロナがきっかけ。コンビニを任されるようになった千代さんが、スーパーに行きにくくて、常連のお年寄りから買い物に困っている、という話を耳にしました。代々続く八百屋魂に火が付いたのでしょう、家のガレージで青空市を始めた千代さん。その店で、買い物ついでに立ち話をしたり挨拶したり。コロナで人のつながりが疎遠になっていた地域が、昔ながらの雰囲気を取り戻していきました。今のようなお店へと展開したのが2021年。「私は店番ですよ」という洋子さんがいい笑顔でお出迎えしてくれたり、千代さん手作りのお惣菜やお弁当が並んでいたり。八百屋をメイン看板に掲げつつ温故知新なコンビニエンスストアだなぁと、嬉しくなる空間です。

| 店舗・施設・スポット名 | 田嶋商店 |
| 時間 | 10:00~17:00頃 |
| 定休日 | 水・木曜 |
| 問い合わせ先 | 0797‐86‐2412 |
| アクセス | 阪急中山観音駅下車すぐ |
| 住所 | 宝塚市中山寺2‐8‐10【MAP】 |
| 公式URL | https://www.instagram.com/tajima_shouten?igsh=dTk4Y3ZpYmwzZm9n |
宝塚ライター
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